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『Mozart!』 at 梅田芸術劇場
さて、3年振りの再々々演で、すっかり私をcrazyにさせてくれた『Mozart!』
大阪千秋楽間近の日曜マチネで観て来ました。
さらっと感じたこと、印象だけ走り書き。

まず、この日はなんと!祐一郎さんが歌えている日だった!!!
どうしちゃったの?祐一郎さんっ?!!
ノリノリじゃないの?!!
ビートも取れているし、声の伸びも艶も素晴らしいわ!!
たまに"やれば出来る子"になるのね、あなたったら!!!
...と、ここ何年もの彼の声帯の衰退っぷりを知っているだけに、何と言うのか、感激したと言うのか、感銘を受けすら致しました。
えぇ、あの...ですから...私、腐っても、祐一郎さんのファンですから。
ただし、彼が出来る子だったのは1幕だけでございました_/ ̄¶●
彼が出来る子になるのはどうやら3、4年に一度、それも一幕限りの様子と見える。
いえ、それでもね、歌えている彼の姿を久しぶりに観られたのは嬉しいことだったのですよ。

ヨシオは予想していた通り、公演終盤になって喉を枯らして、ガラガラ声になっていましたが(本当に毎公演そうなのですよねー)、それでもそのガラガラ声をうまくカヴァーして歌う方法なり、コツなりを、彼なりに掴んだんだな...と思えました。
流石はプロフェッショナル。
先月東京で聴き逃した"僕こそミュージック"をフルコーラスでばっちり聴けたので、もうもう、満足です。お腹いっぱい......はふ―――(満悦の溜息)。
あと、この日は公演ももうカウントダウンのせいか、リラックスしている雰囲気で、ややアドリヴ多めでしたね。
友人たちがモーツァルトの家に押しかけて来てお金をせびって
♪友達甲斐のないやつ~~ 
って歌うシーンでは、お金の袋をキャッチし損ねて落としちゃったシカネーダ(吉野圭吾さん)に向かってずっと
「あーーーっ!!落としたーっ!落としたーーっ!!落としたーーーっ!!!」
って叫び続けていたし。ヨシオ、コドモか!しつこいよ!!(笑)
あと、東京の時と大阪とでは、少しづつだけれど、台詞や演技を変えていましたね。
お客さんの反応を見ながら、その土地の気質に合った形で作品を提供するということなのでしょう。

そしてそして、香寿さん。
いえ、香寿たつきさま。
私、これからはあなたについていこうと決めました(おい)。
あれだけたっぷり豊かな歌声と存在感を示してくれたら、何も言うことはないです。
彼女が1幕で"星から降る金"を歌い始めたところから、ナンネールの由美子(親愛を込めて呼び捨て)が
「あんたいつも言ってたじゃない、神様の次に大切なのは、パパだって!」
と叫び、そしてヨシオが
♪時が来たら 僕は行くよー ここから 出て行くぞーーー
って歌うところまで、ずっとずっと、終始、泣きっ放しでした。
だだ泣きでした。
この一連のシークエンス、ただでさえ私には"カタルシスが来るツボ"なのですが、この日はとりわけ「あぁ...しっかり泣かされちゃったなぁ」というインパクトのあるシークエンスでした。

この日のアマデも良かった。
松田亜美ちゃんという子。
ぱっと見はすごく女の子女の子した雰囲気のかわいらしい顔立ちの子なのですが、所作も表情演技もきちんと出来る子でした。ハラショ!
アマデが出来る子だと、この作品の輝きと、そして陰りはぐぐっと深みを増すのです。
特に2幕の"誰が誰だか"~"謎解きゲーム"のシーンの振りとか手の上げ下げ、表情の作り方、とっても良かった。才能であるアマデが実体であるヴォルフガングを操り、翻弄している様がすごくよく表れていたと思う。
ヴォルフガングの背後にすくっと飛び降りて来て、ヴォルフを羽交い絞めにして縊り殺そうとするシーンなんてざわっと鳥肌が立ちそうなほど良かった。

あと、何度観ても思うのだけれど、私、このアマデがヴォルフに反逆するシーンでモーツァルトのレクイエムの中の『ディエス・イレ(怒りの日)』が歌われるところ、とってもいいと思う。語弊を恐れずに言えば、大好きなシーンだと思う。
『ディエス・イレ』は、大雑把に言ってしまえば、聖書の中での罪深き人類に対する"最後の審判"のくだりですね。
ストーリーのドラマの展開の仕方と、使われている楽曲がこんなにもマッチしているのも珍しいと思う。
ま、モーツァルトの才能と生涯を描いた作品で、その当のモーツァルトが実際に作曲した曲を使うのだから、当たり前と言えば当たり前のことなのだけれど(でも、レクイエムは実際は、モーツァルトよりも弟子たちがガンガン手を入れて作った曲だから...)。
♪哀れな男 愚かな男 恥を知れ 臆病な 力のなき者...!
ってアンサンブルが歌うところです。

カーテンコールまでしっかり観て帰って来ましたが、大阪は東京の時よりもカーテンコール、あっさりめですね。
ヨシオが最後にアマデと一緒に出て来て
「三階席のみんな―――っ!見えてるよ―――――っ!!!」
って叫んだ時は、ラブリー♥ って思った反面、「アイドルか!」って突っ込みを入れたくなったりしましたが(笑)
ま、アイドルなんでしょう。と言うか、プリンスなんですね、はい。
そう言えば東京の時は、拳を唇のところに持っていって投げキス、とかもやってたしなぁ。
大阪なので、この日はアマデに「ほな、行こか?」なんて声をかけて、アマデをおんぶして舞台袖へ走って行っていました。
さて、次に彼のヴォルフを観られるのはいつの日のことでしょうか。
それともこれが観納めだったのでしょうか。

Sun Matinee Jan.23 2011 梅田芸術劇場メインホール 2階1列サブセンター
by bongsenxanh | 2011-01-26 00:12 | 観劇レビュ 国内etc. | Comments(0)


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