東北新幹線「はやて」の中で起こる出来事。 自分の息子をデパートの屋上から突き落とした"犯人"に復習しようとする元・殺し屋の木村。その木村のターゲットである計算高く悪辣な中学生・王子。更に腕利きの二人組の殺し屋・蜜柑と檸檬。そして常に不運に見舞われる殺し屋・七尾。 彼らが「はやて」の中で丁々発止のやりとりを繰り広げる―――。 ......うん...いや、巧いんだ、伊坂くんは、相変わらず。 ぐいぐい読ませる力がある。 実際、私は読み始めたら止められず、最後までそれこそ休憩もせず、息もつかずに読み上げた感じだった。 特に蜜柑と檸檬の会話の面白いこと、面白いこと。 とりわけ何でもかんでも機関車トーマスのキャラクターに置き換えて自分のワールドを展開させる檸檬のトークには笑いまくった。なんて素敵なヤツなんだ、と思った。 ただ、ただ...。 これをフィクションだと割り切って、純粋に楽しめるだけの度量みたいなものは、私にはないな、と思った。 それはひとえに、王子の悪辣さ、狡猾さ、性根の腐り加減が生理的に受け付けないものだったからだと思う。 駄目なんだ、ああいうの。 最後の最後で、それを押し流すかのようなとどめの一撃のようなものがあるけれど、それでつかえていたものがすっきり取れて爽快になるかと言えばそうでもなく。 私が好きで、読みたい伊坂くんは、こういうのじゃないんだけどな...と思い。 あまり気持ちの良い読後感では、なかった。
by bongsenxanh
| 2011-04-10 00:20
| 本
|
Comments(0)
|
by bongsenxanh
カテゴリ
全体 旅 -ヴィエトナム・サイゴン -ヴィエトナム・サパ -ヴィエトナム・ホイアン -ヴィエトナム・フエ -ヴィエトナム・ハノイ -NY'04 -NY'05 -NY'06 -NY'07 -NY'08 -NY'09 -NY'10 -NY'11 -NY'12 -NY'13 -NY'14 -NY'15 -NY'16 -NY'17 -Belgie Dec'12 -France Dec'12 -韓国・ソウル Aug'08 -韓国・ソウル '13 -韓国・ソウル Jul'14 -韓国・釜山 Sep'14 -韓国・ソウル Summer'15 -韓国・ソウル '16 -台湾・台北 Feb'12 -台湾・台北 Feb'16 -台湾・台北 Oct'16 -沖縄Dec'16 -山 観劇レビュ 国内etc. 観劇レビュ NY '04/'05 観劇レビュ NY '06/'07 観劇レビュ NY '08/'09 観劇レビュ NY '10/'11 観劇レビュ NY '12/'13 観劇レビュ NY '14/'15 観劇レビュ NY '16/'17 観劇レビュ NY '18/'19 観劇レビュ 韓国 観劇周辺 本 映画 音楽 食べもの 美術 日常雑感 写真 ヴィエトナム スポーツ タグ
BROADWAY(393)
お気に入り(223) Aaron(147) NY(119) orchestra/instruments(102) 劇団四季(99) opera(87) 東宝(76) The Light in the Piazza(59) Spring Awakening(52) figure skating(38) Sunday in the Park with George(36) Viet Nam(34) レミオロメン(33) 柔道(30) Paul Smith(24) Drew(20) Park Hyo Shin(19) jazz(11) 歌舞伎(4) 最新のコメント
以前の記事
フォロー中のブログ
My Favorites
検索
ブログパーツ
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||