これは絶対にはずれないだろう、という、なんとも根拠のない確信のようなものがあって観に行ったのだけれど、確かにそれは間違いなかった。 で、私はこれ、ロードショウに先駆けた予告を観たり、その後アカデミー賞の賞レース予想での紹介を観たりしていて、"精神を病んでセラピーを受ける男女二人の友情と再生の物語"だと思っていて。 そう、思い込んでいて。 確かにそれは、この物語のひとつの軸ではあるのだけれど。 これって、単純にラヴストーリーだったのですね。 ということに、最後の最後で気づきました。 私がよっぽど鈍いのか、それともその辺りを気づかせない作りは監督の思惑通りなのか。 主演のジェニファー・ローレンスは抜群に良かった。 彼女、決してすごい美人ではないと思う。 (そう言えば、『JUNO』で主演していたエレン・ペイジにちょっと似た顔立ちかも) いや、一般の米国人の中に混ざったら綺麗だと思うけれど、あの恐ろしいまでのハリウッド女優の中に入ったら、決して美人には見えないと思う。 それでも、存在感はものすごいものがある。 振り切っちゃってる演技もいい。 肝が据わっている感じもいい。 そして、もう一人の主演、ブラッドリー・クーパー。 私、この人のことはなんだかあまり冷静に観られませんでした。 なぜなら。 最初はそうとも思わなかったのに、序盤過ぎから「おや?なんだか私はこの声に聞き覚えがある...?」という気がしてきて。 中盤になったら、ますますその思いは強くなって。 この人、声が我がだーりん、Aaronに滅茶苦茶似ていたのです。 歌う時の声ではなくて、演技している時の声とも違って、普段普通に話す時の声に。 聞けば聞くほど似ていて。 顔は全然似ていないのに。 すみません、それだけに、時々目を閉じてこの人の声だけを聞いてしまったくらいでした。 はい、でも、それを差し引いてもnice guyな感じで良かったです。 なかなかセクシーですよね。 ただ、この映画のこの役上では、もうちょっとむさくるしい感じでも良かったのかなー、と。 だって奥さんに浮気されて(それも自分の留守中に、自宅に相手の男性を連れ込まれて)、それが原因で精神を崩して病院に入ったくらいなのだから、もっと野暮ったいくらいの俳優さんの方がいいんじゃないかと。 こんなセクシーなハンサムさんなら、奥さんも浮気なんてしないんじゃないかしら。 お父さん役のロバート・デ・ニーロが、何て言うのか、ちょっとおばかっぽい(やたら変な迷信にこだわったり、無謀な賭けに簡単に乗っちゃったり)のは、まぁこれが米国っぽくていいのかしら?と思ってしまったり。 同じくお兄さんも、弟を自分と比較して馬鹿にしてたり見下してたりする感じも、やっぱり米国スノッブって感じかしら?と思ったり。 随所で「米国の映画だなぁ」としみじみ感じさせられました。 ラストの終わり方もね。 壮大ではなく、小さく、身近なところで、でも着実に上へ向かっていくエネルギーの感じられる、ほっこりした作品でした。
by bongsenxanh
| 2013-05-28 22:57
| 映画
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Comments(6)
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ともきち
at 2013-05-29 09:10
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だーーーいすきだった映画よ、これ。
そうなのそうなの、ジェニファー・ローレンスって決して突出したうおーーーっていう美人じゃないんだけど、存在感があるのよね、毎回そう思う。 そして、最初は?ぐらいだったのに段々美人?美人かも?いや滅茶苦茶美人かも!と思わせる段階があるんだよね、味があるということかしら、俗な言葉で言えば。 わたくし、そしてこのタイプ決して好みではないのに、ブラッドリー・クーパーにはやられました。 ダーリンと声が似てるのですねーますますそれは聞き入ってしまうわね^^ そして私もまた、このマジックにやられました、再生のお話と思っていたのです、なんてストレートなべつのお話・・・そしてぐっときちゃった。 二人がダンスのレッスンする所も好きよ。 更に家に殴りこみに行く場面も。 ハロウィンの夜のダイナーでのデートも。 こうしてみると、思い出す所が少し経ってるのにたくさんあるわ。だから心に残ったんだろうなあ。
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bongsenxanh at 2013-05-30 00:20
♪ともきちさん
そうそうー、予告の映像を観ていて、確実に良さそう~!と思ったのに加えて、確かともきちさんも「すごく良かった!」っておっしゃっていたような記憶もあったので、間違いないだろう!と思っていたのです^^ ジェニファー・ローレンスが、後半ぐんぐん良くなりましたよね。 でもあれは、その後半に向けて、始まりから緻密に計算して演技していたんだろうなーと、後から思い返しました。 家に殴り込みに行くシーンは、とってもカッコ良かったですよね。 ビシッと啖呵切っちゃったりして。 あと、ダンスの練習をするシーンは私も大好きだった! あれ、本番シーンよりも練習していく過程の方が魅力的に見えるのはなぜでしょうね。 それもきっと監督の狙い通りなんでしょうけど^^ ブラッドリー・クーパーは、私も全然好みじゃないんです。 でも、この映画ではものすごくぐぐっときますよねー。 彼も後半に向けてどんどん輝いていくんですよね、始まりはあんなだったのに。
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bongsenxanh at 2013-05-30 00:21
また字数制限に引っかかりました...。
ラスト、あ、これは別のお話だったんだ、っていう鮮やかな驚きがあるのがいいですよね。 いい映画って、こういう風に驚きや、どんでん返しまでいかないものの、エッシャーのだまし絵みたいに、Aだと思っていたものに実はBが隠されていた、みたいなマジックがあるものなのかもしれませんね。
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bongsenxanh at 2013-05-30 00:29
あ、そうだ、もうひとつ。
これ、『世界にひとつの~』っていう邦題がちょっともったいなかった気がしました。 原題のニュアンスがまったく失われてしまっていますよね。 silver liningsの意味合いがまったく出ていないですし、playbookもカタカナでそのままだと「何それ?iBookとかiPadとかみたいなの?」みたいな感じになっちゃいますよね。 もうちょっと作戦計画書とかマニュアルとか戦術とか、そういう意味合いが出ると良かったのに~、そうすればティファニーとパットがやろうとしていることとか、目指している方向とか、そいういうものの色合いが伝わった気がするのですが...。
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ともきち
at 2013-05-30 20:07
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続けてごめんなさい。
書き忘れていたことを一つ ふえさんが書いてくださったので、私も一言。 タイトル、私も思ったわ。 しかも、私は更にひどくて 最初原題を見ずざっと邦題を見て 「世界にひとつのプレイ『バ』ック」 だと思って、過去にタイムスリップする話、と勝手に思ってました。 途中で、(あ私、間違ってるぞ・・・Playbookだった?もしや?)と思ってラストにタイトルの原題を見て、や・・・やっぱりとうなだれたものです・・・ 見間違いは私のせいなんだけど、プレイブックそのものがふえさんが言うように浸透してないしね。 これ良かったよーと人に言ったときに まず全員からプレイブックって何?と聞かれたし、このあとに^^
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bongsenxanh at 2013-05-31 07:12
♪ともきちさん
いえいえ、続けて続けて。どうぞどうぞ。 playbookは確かに浸透していない言葉なので、それを日本語に置き換えるのは難しいですよね。 映画配給会社も、この邦題はかなり苦し紛れのものなんじゃないかと思いますが...。 『君に・・・』、『私の・・・』、『僕の・・・』とか『世界に・・・』、『たったひとつの・・・』、『愛の・・・』、『・・・の理由』みたいな、いかにもな邦題がついている時は、たいていそれを疑ってみることにしています(笑) 邦題が映画の内容や本質からかけ離れて一人歩きしていることがあまりにも多いので。 言語ってまったく対称に置き換え可能なものではないので、本当に難しいですよねー。 たまに「この邦題つけた人、すごい!」と思うようなものもありますね。 ともきちさんの「プレイバック」というのを見て、私は頭の中で百恵ちゃんが歌い始めました...
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by bongsenxanh
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