葱平でたっぷり休憩をとった後、また歩き出した。
小雪渓をトラバースするため、再度アイゼンをつけ(と言うか、Kにつけてもらい)、ざくざくと雪渓に喰い込ませるようにして歩く。 小雪渓は、斜め方向ではなく、ほぼ水平にトラバースルートが刻んであったので、ものの5分で渡り終えた。 その後は両脇に花の咲く岩場が続く。 未だずきずきする頭痛は続いていたけれど、足のふらつきは消えていた。 これはお花畑ではなく、大雪渓を登り始める前の白馬尻小屋の傍に咲いていたもの。 残雪の消えた林床が好きな花らしい。 虫が盛んに蜜を吸いに来ている。 山に登り始めてから、梅雨明け後の7月下旬というこの時期に山に登ったことがなかった。 だから、お花畑を楽しめる登山は今回が初めてだった。 花がたくさん咲いている景色が新鮮だった。 ただ、それを存分に楽しめるほど、体調が良くなかったのが悔やまれる。 クロユリもシロウマアサツキもKが指し示して教えてくれたのに、写真を撮るだけの余裕もなかった。 まだ花が開いていない蕾がある姿がまた奇麗。 何だろう。 後でKに確認したら、イワヒバリとのことだった。 かなり近くに寄って撮影していたのに、逃げる気配がなかった。 青紫色の花は、清涼で、美しい。大好きな色だ。 お花畑で写真を撮っていると、どうしてもペースは落ちるのだけれど、疲れがきている体に調子を取り戻すのには良い休憩になる。 お花に気を取られながら、騙し騙し登っていると、ようやく頂上宿舎まで着いた。 ここまで来ると、もう白馬山荘と頂上が視野に入って来る。 が、この時点で既に13時をオーバーしていた。 Kからは、日帰り出来るリミットとして、頂上に14時には到着して折り返すこと、と言われていた。 ...無理かもしれない。 やはり今日は山頂には立てず、ここでリタイアだろうか。 Kにどうする?私は今日はもうここまででもいいし、Kだけ一人で頂上まで行って引き返してくれてもいい、待っているから、と伺ってみた。 ここまで来たんだから、行こう。Kが言った。
by bongsenxanh
| 2013-07-29 00:24
| -山
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by bongsenxanh
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