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『雨と夢のあとに』 演劇集団キャラメルボックス
『雨と夢のあとに』 演劇集団キャラメルボックス_a0054163_2359574.jpg
これ、観てまいりました。
ものすごく久し振りな感じのするキャラメルボックス。
(だってなかなか名古屋では公演してくれないから)
この作品、2006年に初演していて今回が初再演だそうですが、私は初観。
なぜなら初演時には名古屋公演なかったから(と、岡田達也さんがカーテンコールで言っていた)

今回、主演は大内厚雄さん。
大内さん主演なら、当然観ないわけにいかないでしょ(一時期かなり入れ込んでいましたの、私)

原作は柳美里さんの同名小説。
脚本・演出の成井豊さんと真柴あずきさんが惚れ込んでぜひ舞台化を、と望まれたそう。
父親と二人暮らしの雨は、台湾へ蝶を探しに行った父の帰りを待っている。
父の朝晴(ともはる)はベーシスト、趣味の蝶探しに夢中になってしまう、少し子どもっぽいところがある。
なかなか帰って来ない朝晴を待ちわびていた雨の元に、彼は帰って来てベースをつま弾く。
けれど、朝晴のその姿は、雨とその他数名の人にしか見えていなかった―――。



で。
えーーと、えーーー...っと。
ということでお察し頂ければ。
いや、『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』で、キャラメルボックスの父娘ものが私にはまったく合わないということは、もう十分わかっていたことではあったのですが。
あまりにご都合主義に、そしてお決まり通りに展開するストーリーがね...。
あと、幽霊ってエスパーなのか?何でもかんでも出来るのか?っていう辺りもね...。
ちょっと安過ぎて。
役者さんたちはとても熱演されていたのですが。
むむむむむ。

大内さんは、素敵でした、えぇ。
あー、私、大内さんのあの声が好きなんだよなぁ...と改めて認識し、そして"父親役"の大内さんを初めて観たと思うのだけれど、こういう大内さんもありだなぁ、と思い。
大内さんって、どちらかと言うと、あまり"父性"とか"子煩悩な父親"みたいなものからは遠いイメージのある役者さんだと思うのだけれど、今回の設定ではむしろそういう部分がいい方向に働いていたように感じました。
だからこそ、尚更、雨という娘に対する愛情が、じわじわっと切ないくらい伝わってくるという。
雨をぎゅっと抱きしめる、というシーンが多かったように思うのですが、そんなシーンでは思わず羨まし...もとい、実の父娘というよりは、他人同士の中年男と中学生の女の子のハグのように感じられて(ま、実際そうなのですけど)、それもまたこのお話にはうまく機能していたかな、と。
貧血で倒れた雨をお姫様抱っこするシーンもあったからなー、羨まし...もとい、大内さん、毎日結構大変だろうなぁ。
いくら吉田里琴ちゃんが細いと言えど、上腕筋鍛えないとねー。

とまぁ、こんな感想でした。
おっかーさんもいい味出してたけど、彼がやる役としてはもったいなかったかも。
変なウェスタンファッションにオールバック(本人曰く"リーゼント"らしい)だったし。

いや、ま、満足はしていないけれど、でも私はまたキャラメルボックス、観に行くと思います。
大内さんのお姿を観るために。

余談ですが、後方席とセンターを除いた左右席がガラガラで空席が目立ったことが、非常に気になりました。
いくら名古屋だとは言え、そして初日や千秋楽ではないとは言え、土曜日夜の公演なのに、ここまで空席だらけなの、見たことがなかったけれど...。
キャラメルボックス、集客、大丈夫かな。

Sat Evening Aug.31 2013 名鉄ホール
by bongsenxanh | 2013-08-31 23:58 | 観劇レビュ 国内etc. | Comments(0)


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