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音楽の色合いについて思う
かなり以前から、ぽつぽつ考えていたことについて、ようやく書けます。
と言うほど、大したことでもないけれど。

シャンデリア

ちょうど1年くらい前、知人から「back numberっていうバンドがいて、ちょっといいよ。10代の子たちに人気があるみたい」と聞き、「ふ―――ん…」くらいに思ってそんなに気は引かれなかったものの、とりあえず聴いてみた。
つい先頃、ベストアルバムなんかも出して、時の波に乗って売れているかのback numberだ。
それがこの、『シャンデリア』
今にして思うと、このアルバムから入ったのも、良くなかったかもしれない。
一耳聴いた瞬間、
あ、小林武史の音だ
と思った。
もう少し詳細に言えば、
「あ、小林武史に毒されてしまった後のレミの音に似ている」と。



先に断っておくと、
back numberの楽曲はall小林武史プロデュースではない。
バンドそのものも小林武史がpickして育ててプロデュースしてきたわけではない。
にも関わらず、このアルバムで聴くback numberの音は、悲しいくらいに小林武史の音だった。

back numberがヴォーカル&ギター、ベース、ドラムスの3ピース・バンドだということも(最近の様子を見ていると、どうも純粋に3ピースとは言い切れない部分があるけれど)、メンバー3人ともが群馬県出身だということも、そしてその3人に小林武史がプロデュースという形で後から関わり始めた辺りも、どこかレミを彷彿とさせるものがある。
(レミの3人は山梨出身の幼馴染だけれど。藤巻くんは群馬大だったしなぁ)
そう考えるのは穿ち過ぎているかもしれないけれど、小林武史が"レミの次に来る2匹目のどじょう"を狙っている感じがするのが、何とも頂けない。

ここまで言っておいて何だけれど、別に小林武史の音が嫌いなわけではない。
彼自身が純粋に作って楽曲提供した曲はかなり好きなものも多くて、例えば小泉今日子の『あなたに会えてよかった』などは、彼の手による曲の中では白眉の一曲だと思っていたりする。
(どうもアレンジのほとんどは佐橋佳幸さんが手がけたらしいけれど)
ただ、彼は駆け出しのバンドや新人を手掛けたりすると、その素材の良さを引き出したり生かそうとするのではなく、こってりどっぷり自分色に染めてしまって、最終的にはその素材を潰してしまったりする傾向があり。
レミもその犠牲になった内のひとつだったか…と。
Mr.Childrenが潰されずに済んだのは、ひとえに桜井さんの音楽的アイデンティティの強さと、彼の人間的なエゴの強さゆえだったのではないかな、と。
(どうも最近は小林武史と袂を分かっているらしいし)

back numberの話に戻ると、『シャンデリア』の1曲目、『SISTER』を聴き始めて、その歌い出しのフレーズの声を、「うーん、スキマスイッチの大橋さんみたいな、鼻にかけた様な、ちょっとつぶし気味の発声をするな…」と思った。
正直、少し苦手な声の出し方だった。
もっと素直な発声をすればいいのに。
そしてまた、ロングトーンなどではスピッツのマサムネさんぽい声の出し方もしたりする。
何て言うのか、つまり、"どこか""誰か"の面影を漂わせる歌声で、誰にも真似出来ない様な強烈なオリジナリティは持っていない声なのだ。
この『シャンデリア』の頃よりも、最近の方が幾分かは声に力強さが加わって来たようにも思うけれど。

『ヒロイン』『クリスマスソング』『手紙』も、このアルバムに収録されている主だったシングル曲(当然の様にCFなりドラマなりのタイアップを取っている)は小林武史のプロデュースによるものだ。
それらは、強烈な個性を持たず、適度にpopでキャッチ―で、「どこかで聴いたことがある」ような曲調で耳触りが良く、存在感を主張し過ぎず、それこそまさにCF曲やドラマの主題歌にぴったりだ。
しばしば取り上げられるback numberならではの"歌詞"も、日本人好みのwetさで、確かに共感は呼びやすいのかもしれないけれど、私にはtoo humidと言うか、むしろそこを通り越してtoo stickyな感じさえしてしまう。

この先、彼らはどこへ向かって行くんだろうなぁ…と、他人事ながら余計なお世話なことをふと考えてしまう。
しばらくは小林武史プロデュースの居心地の良さに甘んじるのか。
それともまた新たな地平を切り拓いていくのか。

そして、いつも心のどこかに引っ掛かっていることを思う。
レミは、もうこのまま葬り去られてしまうのだろうか、と。
藤巻くんが『3月9日』をソロでのセルフ・カヴァーなんかしたりして、もうこの先、治くんと一緒にセッションすることも、ましてや田舎に引っ込んで農業をしているらしい啓介くんのあのぶいぶい鳴らすベースを効かせてliveすることも、なくなってしまうのだろうか…と。
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by bongsenxanh | 2017-02-14 00:49 | 音楽


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