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『Beauty and the BEAST』―実写映画版
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今頃になってようやくですが、こちらを木曜日の夜に観て来たのです。
4月下旬早々にご覧になった方達の評判がとっても良かったので、さぞかし…と思って観に行ったのですが。



何か…普通だった…と言うか。
あの、まず第一印象で思ったことは。
エマちゃん、歌唱力で選ばれたキャストではなかったのね、ということ。
前評判が良かったことから、勝手にエマちゃんもものすごい歌上手さんなのかと想像していたのですが…"普通の人の普通の歌"でした。
下手ではないけれど、別に上手くもない。
最初のプロローグでの歌唱を聴いた瞬間、「エマ…!声低くてキー下げてるし!全然、ミュージカル歌いじゃないし!」とヘナヘナ気が抜けてしまいました。
で、キャラクター的にも、エマはあまり"ベル"っていう雰囲気ではないので、あぁ、集客力を買われてのキャスティングだったのね…と。
ベルって確かに意思が強くて、でも「ここではないどこか」を夢見る少女、というキャラだと思うのですが、エマはね…芯は強そうだけれど、何だか小賢しさが先だってしまうと言うか、"夢見がち"とか"情のある文系女子"な面は持ち合わせていないと思うのです。

そして、ビーストを演じるのはダン・スティーブンス。
えーと、こちらも…。
せっかく新たに加わったナンバー、終盤でビーストがベルをモリースの元へと送り返した後に切なく歌う"Evermore(ひそかな夢)"も、ちょっと歌唱力不足だったかなぁ、と。
こちら、エンドロールでジョシュ・グローバンが歌っているのだけれど、そちらの方が遥かにエモーショナルで心に迫って来るものがあり、流石でした。
エンドロールの話が出たついでに言っちゃうと、タイトル・チューンもアリアナ・グランデ&ジョン・レジェンドのデュエットの方が本編よりずっと素晴らしくて…ね。

で、そもそも私はこれ、舞台版の忠実な映画化だと思い込んでいたのですが、そうではないのですね。
むしろ、ミュージカル色はかなり薄められているかな、と。
あのナンバーもこのナンバーもがしがし削られて、ベルもビーストも思ったのよりもずっと歌わない。
個人的に好きだったベルのソロ・ナンバー"HOME"もなかったし(エマにはあんなソロ・ナンバーはとても歌えないでしょうけど)、舞台では1幕幕切れに歌われるビーストのソロ・ナンバー"If I can't love her(愛せぬならば)"もなし。
その代わりに"Evermore"があったのですが、それにしても何だかなぁ…と。
おそらく、さんざん舞台版を観て(B'wayでも日本でも)、そこから期待していたものとは違い過ぎていたのでしょう。
映画は映画、舞台と別物!と割り切って観る気持ちが必要だったのかも。

個人的にツボだったのは、ガストンを演じていたのがルーク・エヴァンスだったことと、タンス夫人がオードラ・マクドナルドだったことと、コグスクワースがイアン・マッケラン様(イアンには様付けちゃう!)だったことかしら。
あ、あとミセス・ポットがエマ・トンプソンでしたね…でもこちらのエマも歌唱力はイマイチ。
何てったってタイトル・チューンをソロで歌う役なんだから、もう少し何とかならなかったかなぁ。
もともとエマ・トンプソンは声質にもそんなに恵まれていないですしね。
そうそう、で、ルーク・エヴァンス!
『ホビット』の時にはあんなにワイルドでイケメンで格好良いお父さんだったのに!
あんな極悪なガストンになっちゃうだなんて!
舞台版のガストンは、悪いながらも愛嬌があっておばかさんで、憎めないところもあるのに、映画の方のルークは本当に激悪でした。
クライマックス、ガストンが城を破壊しつつビーストを追い詰めていく画は、何だか『ロード・オブ・ザ・リングス』『ホビット』の戦闘シーンを彷彿とさせましたねー。
オードラの歌唱が素晴らしいのはわかりきっているので、何も言わない(笑)
オペラ歌手っていう設定も、そのまんま。

ということで、かなり不満な状態で帰って来ました。
吉原光夫ガストンと成河ルミエールが気になっているので、吹替版も観たいと思っていたのですが…この状態だと観に行かないかなぁ。
吹替版ビーストには何も惹かれるものがないしなぁ。
by bongsenxanh | 2017-06-12 00:17 | 映画 | Comments(0)


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