『夜行』森見 登美彦 著、小学館
夜行

なかなか読めていない中で読んだ数少ない本なので、記録を。
これ、とっても良かった。
もりみんの中でもかなり好きな方に入る。
帯にも書かれていたけれど『きつねのはなし』からの系譜に連なる一作だと思う。
(でも帯にある『有頂天家族』とは、全く雰囲気の異なる作品だと思われる)
あ、あと近年だと『宵山万華鏡』はまさにこの『夜行』の布石だったのかもしれない。

英会話スクールで一緒だった学生仲間たちと繰り出した鞍馬の火祭りの夜、仲間の内の一人、長谷川さんが姿を消した。
それから十年の歳月を経て、仲間たちはまた、鞍馬の火祭りの夜、集う。
そして語り出す、旅先の各地で出会った「夜行」という連作の絵にまつわる話。
岸田道生という画家によって描かれたその絵は、仲間たちそれぞれに不思議な体験をもたらしていた―――。

ひとつひとつの旅先での体験談が、それぞれ奇妙でつかみどころのない感覚が残るのだけれど、最後の最後でそれがスッと一本の線でつながって見事に昇華されるところが、私にはなんとも言えず爽快感がありまして。
そこに至るまでの、少し背筋がぞくりとする様な感触も悪くなく。
もりみん、お見事。
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by bongsenxanh | 2017-04-10 01:34 | | Comments(2)
Commented by tomotomo1202 at 2017-04-11 08:56
私もこれ大好きです~~♡ちょっと乱歩の押絵と旅する男みたいのも思い出したり、話が一本の線で繋がりながらも、不思議に最後に溶けていく感じがたまらなかったです。あ、こうなるんだあという驚きがたくさんの箇所に仕掛けてありましたよね。
もりみんファンではありますが、私はぽんぽこ系は全く興味がなく(読んだけど、はあーぐらいだった)、こちらの系統のものをほんと好んでいます、これは好みなんでしょうねえ。
Commented by bongsenxanh at 2017-04-12 01:42
♪ともきちさん

良かったですよね~、これ!
そうそう、私も実はあのぽんぽこ系もりみんには全く惹かれず、こっち系統のものをもっと書け!どんどん書け!もりみん!!と思っています(笑)
もりみんの真価はこちら系統の方にこそある!と勝手に思っております。
たまたまAmazonのレビューを読んじゃったら、世間一般の方々(もりみん一見さんとかね)にはものすごく不評の様なのですよね、この作品。
そりゃ、普段本を読まない人たちがこの本の装丁とか、直木賞候補作だから、とかだけで飛びついて読んだら、面白いとは思わないだろう…と、逆に私なんぞは嬉しくなってしまいました(笑)←屈折している
最終話で一気につながるところと、ちょっとネタバレっぽくなってしまいますが(このコメントを読む方も少ないと思うので)、表裏一体っていうところなんか、おおぉ!もりみん、すごい!と、すんごいカタルシスがありました^^


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