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『ハリーポッターと謎のプリンス』ほんの少しだけ思ったこと
あのですね、全体的な感想どうこうではなくて、ちょっと違和感を感じたことを書きます。そのものズバリ、クライマックス&ネタバレになる部分ですので、未読でこれからちょっとずつ噛みしめて味わいながら読みたい・・・という方は絶対に読まないでください。読む楽しみを奪いたくないので。最初に、お願いしておきますね。



私、去年に原著が出た時点で、かなり飛ばし読み&斜め読みをして(ローリングさん、ごめんなさい)、おおまかなあらすじは知ってしまっていました。もちろん、例のお方がお亡くなりになることも。そういうわけで「先が見えている」状態で日本語版を読むことになってしまったのですが、それでもやはり後半、切迫感がありました。当然のことかもしれませんが、自分の母語で読むのと外語で読むのとでは伝わり具合が違うのですね。母語だとやはり、一語一語がニュアンスを帯びて具体性を持ってダイレクトに脳と感情に訴えてくる感じがするのです。言葉ってやはり、大切だ――・・・。
その肝心要のお亡くなりになるシーンなのですが。あまりにも・・・なんというのか、辛すぎて・・・・・・どんな風に亡くなるのかを知っていたにも関わらず、じわっときて、視界がぼやけました(いや、決して描き方が見事だとかそういうことではなく)。そして、その亡くなり方!あんなにも偉大な方が、弱り果てた挙句、最期の最期に、殺そうとしている相手に「・・・頼む」なんて懇願しながら死んでいくなんて、あまりにも惨めではありませんか!憐れではありませんか!なんだか・・・私、とっても腹が立ったのですが!その殺した相手に対してではなく、著者に対して。殺したことに、ではなく、その死を飾るに相応しい場面を演出してあげなかったことに。あまりにも自分の創出した登場人物に対して愛のなさ過ぎる仕打ちではありませんか!それもなんと言うのか・・・「はぁ?」と言いたくなってしまうような・・・あまり意味のない死だったように思えるんですよね、全体の構成からして。そうするだけの必然性のあることではなかったと言うか。それにその死につながる、「これを飲み干すしかないのじゃ」とか言って毒薬をごくごく飲むというシーンも・・・なんだか馬鹿馬鹿しい感じだったんですよね。「はぁ?そんなことで?」「そんな仕掛けで?」「もっと他に策は講じられなかったの?」と。説得力がなさ過ぎる感じで・・・・・・お粗末なからくりのように思えたのです。いやー、いやー、なんだかなー・・・。もう少し精巧に緻密に描けなかったものでしょうか。
そしてどうも最終巻で、復活するかもしれない、みたいな含みのある訳者の「あとがき」がついていたのですが。死んでないのか?もしかして最終巻で「わしは死んでなかったのじゃよ、じゃじゃ~~~ん!」(映画版ナルニアのアスラン復活のように?)みたいな呆気なくてご都合主義なエンディングが用意されているってわけではないでしょうね?いや、あり得なくはないかも・・・なんだかなー・・・。どうにも作りの粗雑さが見えてきた印象が残るのでした。
by bongsenxanh | 2006-05-20 05:16 | | Comments(2)
Commented by ume-star at 2006-05-20 21:39
はじめまして。私もハリーポッターシリーズはずっと買って読んでいます。原書で読めるなんてすご〜い!羨ましいです☆
私も偉大なお方が亡くなったのがとてもショックでした…でも、ちょっと深読みかもしれないのですが、あの「頼む」は、『最期は君に頼む』だったのかと思って。ハリーのライバルである少年に殺人をさせないために…。まず、上巻のスネイプのアジト(?)での出来事と、下巻の逃避する際のスネイプとの会話で、私にはスネイプが本当に“闇”に戻ったのか疑問に思うのです。スネイプを疑わずじまいだった確固とした理由が隠れているような…ん〜、でも偉大な魔法使いでも間違うのかな、やっぱり。
7巻が出ないことには判らないですが、復活は有り得ないですよ、ってか絶対してほしくない。だったらまず、ハリーの両親を返してほしいし。
ちょうど読み終わって、引っかかっていた部分を指摘されていたので思わずお邪魔しました〜失礼しました。
Commented by bongsenxanh at 2006-05-21 01:54
♪ume-starさん
いらっしゃいませ、はじめまして!
いや・・・原書はですね、本当に拾い読みの飛ばし読みです。わかる単語だけ適当に拾って読んでるのです(^^;)
実は私、5巻でシリウスが亡くなった時点で友人には「次はあのお方だ!」と予告していたんです、勝手に。本当に当たっちゃいました。いやー、読者に先が読めるストーリー展開っていうのもどうなのかな・・・と少し思いました。もっと予想を裏切ってほしいなぁ・・・なんて。
あの「頼む」なんですが、原著でもそのまま"Severus...Please..."なんです。この"please"の後にまだ何か続く言葉があるのではないか、と私は思っております。命乞いの懇願ではなく。何か頼みたいことがあったのではないか、あるいは二人の間でかねてから打ち合わせてあった計画があって、予定通りその遂行を頼むというような意味合いではなかったか、と。更に深読みすれば、その計画の中にここで一時的に死ぬこともその後の復活(?)も織込み済みなのではないかなー、と。
すべては7巻が出てみてわかることですね。ちなみに私は今回、フラーの「わたしだけで十分二人分美しいと思いまーす」発言に爆笑しました。
また遊びにいらしてくださいねー。


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