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カテゴリ:観劇レビュ NY '16/'17( 3 )
『Madama Butterfly』 MET Live Viewing
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こちらの作品を観て来たのです。
MET Live Viewingの『Madama Butterfly』(蝶々夫人)
えーと、最初に言っておきますと、私はこの作品、あまり好きではない…と言うか、積極的に観たい作品ではありません。
それは、この作品がそもそもアジア蔑視であったり、女性差別であったり、誤ったジャポネスク幻想の様なものに基づいて作られていたり、あるいは偏った日本文化解釈がなされていたり…といった色々な問題を含んでいるからであり。
同時に、そもそも"蝶々さん"というヒロインを同じ女性として好きになれないということもあったりして。
ですが、それを脇に置いても、蝶々さん=クリスティーヌ・オポライス(Kristine Opolais)、ピンカートン=ロベルト・アラーニャ(Roberto Alagna)という組合せは魅力的で、作品に目をつぶってでも観に行ったのです。
この二人、もう皆さんご存知ですが、先の『Manon Rescaut』でも主役カップルを演じた二人ですね。
写真は、幕開け冒頭で演じられる、ダンサーによる日本舞踏(もどき)。
この長く伸びる赤い帯を使った視覚的な演出が美しく、このダンサーの姿を通して、蝶々さんの辿る悲劇が暗示される。

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by bongsenxanh | 2016-05-07 23:54 | 観劇レビュ NY '16/'17 | Comments(4)
『Manon Rescaut』 MET Live Viewing
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土曜日にこちらを観て来て、このこともすごく書きたいのですが。
今日はちょっと時間がないので、また明日にでも。
売り出し中のクリスティーヌ・オポライスはまぁまぁ。
美貌のソプラノではあります。
彼女よりも誰よりも、急遽デ・グリューの代演を務めたアラーニャが素晴らしかった!
そしてリチャード・エアの演出と、それを引き立てる舞台装置と、ファビオ・ルイージの指揮が素晴らしかった!
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by bongsenxanh | 2016-04-05 01:40 | 観劇レビュ NY '16/'17 | Comments(2)
『Lulu』 MET Live Viewing
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ちょっとNYの更新が進まないままですが(今週末には…!)、先週土曜日にはこちらを観て来たのです。
今年最初のMET Live Viewing。

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観て来たのは、もちろん、『Lulu』
希代のファム・ファタル、ルルをMarlis Petersenが歌います。
この役で世界へ躍り出た彼女がこの役を歌うのは今シーズンが最後。
彼女自身がそう決めたのだそうです。
18年間演じてきたこのルルという女を、もう自分が手放す時だと。
そして自分もルルから解放される時だと。

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正直言って、ベルクのスコアはこの上なく難解な上に、決して心地良い甘美な音楽でもない。
だから、決して万人受けするものではありませんし、これが初オペラ体験!という方にはお薦めしません。
けれど、難解だからこそ、何か人の心の中にひっかき傷を創って、人の気持ちを絡め取っていくような、そんな魅力がこのオペラにはあるように思えます。
そのスコアをすっかり自分のものとして歌いこなして、ルルという女を生きるMarlis Petersenはお見事!
彼女のことを色んな人が"女優"と呼んでいますが、まさにMarlisはオペラ歌手とかソプラノと呼ぶよりも"女優"と呼ぶに相応しい演じっぷりです。
街で乞食同然に花を売っていたところを、シェーン博士に拾われ、その愛人となり、けれど同時に他の男性と結婚し、更には自分ではなく他のうら若き令嬢と結婚しようとしているシェーン博士を籠絡して結婚させ、ようやく妻の座を手に入れたと思いきや他の男や女をも虜にするルル。
博士を精神的に追い詰め、悲劇的な形で撃ち殺し、自らも裁判にかけられ、牢獄に入り、脱獄し、その成れの果てとして自分の身を売るしか道がなくなったルル。
そんな破滅的なルルを、Marlisは生き生きと、自然に呼吸するかのように退廃的に演じていました。
Marlisは去年のMETの『フィガロの結婚』で、あのコケティッシュでキュートなスザンナちゃんを演じていたソプラノさんです。

後から調べたら、このルルの脚本のそもそもの原作は、『Spring Awakening』と同じF・ヴェデキントなのですね。
ヴェデキントって、本当に不幸で救いのないお話ばっかり書く作家なんだなぁ。

上映は今週金曜日まで。
機会のある方はどうぞ。
とても斬新な演出と美術(奇才W・ケントリッジ!)も見物です。
と言うか、このプロダクションは現代美術の斬新さに負うところが非常に大きい。
最初、画家のアトリエでモデルになっているルルの体に、紙に書いた乳房や女性器をぺたぺた貼り付けていくのだけれど、その斬新さや、そしてそれが表すルルの毒婦っぷりときたら…!
同時に、常に舞台上にいるルルの分身のような、内面を表すかのような、マネキンぽい人物も不気味であり滑稽であり。
あれはマイムですね。
あー、でもこんなの、1回観たらしばらくは観なくていいな。
魂吸い取られて消耗するもの。
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by bongsenxanh | 2016-01-21 00:55 | 観劇レビュ NY '16/'17 | Comments(0)




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