人気ブログランキング | 話題のタグを見る
closed and then...
closed and then..._a0054163_23243397.jpg
5月31日金曜日、私の大好きだったパン屋さんが"おしまい"になった。
友人がやっているパン屋さんで、ここで焼かれるパンが大好きだった。
そしてここの、1枚板の長い木のテーブルについて、コーヒーを飲みながら、ほっとひと息つく時間が私にとってはかけがえのない大切な時間だった。
ただただ、ぼーっとしたり、ぱらぱらと文庫や新書のページを繰る時間も好きだった。



closed and then..._a0054163_2329465.jpg
お店の最後の日、いつもは焼きたてのパンやフランス空輸の紅茶やジャムやはちみつや塩が置かれていた棚は、もうがらんとしていて。
友人のセンスで選んで置かれていた器やキッチンツールなどの雑貨ももうなくて。

この日、友人に「お疲れさま」の気持ちだけで、素っ気なくセロファンで包んでリボンだけかけてもらった芍薬を持って行った。
初めはぱきっとしたヴィヴィッドな色合いのガーベラにでもしようかと思っていたのだけれど、花屋にある花の中で、薄桃色の大ぶりの芍薬が私の目を引いた。
お祝いの門出なので、これもきっとそういう出会いなのだろうと思って、そのぼん、と大きな薄桃色を選んだ。

大袈裟になるのは嫌だったし、湿っぽくなるのも嫌だったので、何を言うでもなく、「これ...」と言って友人に差し出した。
それだけでわかってくれたようだった。
お互い、この時間と場所を共有できたことがともかく嬉しかった。
お店には、他のお客さんからも多々送られた大小色とりどりの花束や花籠が溢れていた。
前向きな出発、前向きなまた新たな第一歩なのだ。

今まで10年間、どうもありがとう。
また、いつか会える日を待っている。

さて、これから私はどこでパンを買おう?
by bongsenxanh | 2013-06-03 23:46 | 食べもの


<< Birds are coming 上村松園展―名古屋市美術館開館... >>


AX