『JERSEY BOYS』 the movie
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昨夜、これを観て来ました。
観ようか観まいかちょっと迷っていたのですが(観なくても、個人的には何も支障はなさそうなので...)、10月31日に公開が終わってしまうのを知り、駆け込みで間に合うのならば、ま、観ておくか...と。

Broadwayのあの同題の作品を、クリント・イーストウッドを監督に据えて映画化した作品。



Theater goerの皆さんはもうご存知の通り、2006年のトニー賞作品賞受賞作。
(もうそんなに前なのか!)
2006年と言えば、私はAaron出演の『The Light in the Piazza』を観るために、そして同じくAaron出演の『Les Miserables』を観るために、ひたすらNYへ通っておりました。
ですので当然と言おうか、必然の流れとして、この作品に割くような観劇枠は1枠もなく。

ただ、その後もこの作品を観るチャンスはいくらでもあったのですが、全く食指は動かず。
その気が起こらず。
これもNYへ通われているTheater goerさんの間では周知の事実ですが、この作品がトニー賞を受賞出来たのは、そもそもその作品が素晴らしいからではなく(失礼!もちろん作品として成立はしていますが)、一重にJewishのコネとカネの力を背景に、怒涛の勢いで獲ってしまった!というのが偽りのないところ。
(その年に強力な対抗馬がいなかったのもありますが)
現在でもBroadwayではLong-run中ですが、客席は往時を偲ぶご高齢の紳士淑女のお客様でいっぱいだそうです(そういう作品があってもいいと思うけれどね、需要があるということですし)。

私の友人知人でも、NYへ行く直前にあれこれBroadway作品について詳しくレクチャーしたにも関わらず、何を思ったか、一言たりとも勧めたことのないこの作品を観て来ちゃった人がいます。
(5月下旬、トニー賞授賞式直前の一番良いシーズンだったにも関わらず!)
"トニー賞作品賞受賞作品"という謳い文句に釣られたのだそうです。
帰国後、「なんか、おじいちゃんおばあちゃんばっかりだったよ。でも英語がわからなくてもあんまり困らなかった」と言っておりました。
そうです、Juke box Musicalですから。
そんなわけで、私、この作品をBroadwayで一度も観ておりません。

さて、映画に話を戻して。
映画としては、定石通りに、破綻もなくうまくまとまっていたと思います。
ただ、舞台の方を観ていない私でもわかるくらいに"ミュージカル色"は驚くほど消されていたな、と。
おそらくここは、舞台ではものすごくshow upするシーンなんだろうな、たぶん、ここはクライマックスのものすごい盛り上げポイントなんだろうな、と思われるようなシーンで、音楽や歌がほとんどBGMとしてしか使われていないのは、非常に残念な感じがしました。
もともと、先にも書いた通り、この作品はFour Seasonsの曲を並べたJuke box musical(カタログ・ミュージカルとも呼ばれる)なので、Four Seasonsがスターとしてもてはやされた時代を表すものとして彼らの曲がBGMの様に使われるのは全く不自然ではない。
けれど、ミュージカルとして構成されて曲がりなりにも成功した作品をせっかく映画化したのに、この扱い方ではもったいない...と思われて。
あと、BGMとしてFour Seasonsの曲を使うことで、時代の雰囲気は出たものの、同時に"古臭さ"みたいなものがたっぷり漂う映画になってしまったのも否めないかな、と。

キャストは、BroadwayのOriginal Castで、トニー賞主演俳優賞を受賞したJohn Lloyd Youngが、映画でも主役のFrankie Valliを務めていました。
うん、映画版で他の俳優を引っ張ってきたりしなくて良かったと思います。
が。
映画の中で彼が登場して初めて歌うシーン等で「素晴らしい歌声だ」「良い声だ」「天使の声だ」とか褒め称えられるのですが。
私にはそれがさっぱりわからなくて。
男性にしては、それは、普通なら出せない声域のファルセット(と言えるのでしょうか、あれは)なのでしょうけれど。
ひたすら、「…ヘンな声」としか思えなかったんです(すみません)。
名曲『Can't Take My Eyes Off You』も、私が知っていて馴染んでいる(高校生の頃から十八番)のはFrankie Valliの方ではなくて、Boys Town Gangのcoverの方でしたし。
この曲、日本でも林檎ちゃんやTommy februaryがcoverしていましたね。

Tommy役のVincent Piazzaは、何だか見覚えがある顔のような気がしたけれど...イタリア系にはよくある顔なのかな?
汚れ役を好演していました。
あと、Gyp役のChristopher Walkenも、いつものことながら流石の存在感でした。

繰り返して言いますが、映画としてはよくまとまっていたと思います。
ある有名グループが、貧しさに汚れた無名の時代から瞬く間にスターダムに上り詰め、そしてその影には光と共に必ず出来る闇があるという部分もきちんと描き。
ただ、あの超有名ミュージカル作品を敢えて映画化したクリント・イーストウッドは、何をしたかったんだろう?という疑問は残りました。
ミュージカルではなく、ストレートプレイとして映画に昇華させたかったのか。
それともこれがイーストウッド流だったのか。
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by bongsenxanh | 2014-11-02 01:53 | 映画 | Comments(0)


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