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『SPOTLIGHT』
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昨日、こちらの映画を観て来ました。
ここのところの業務多忙で、もう公開中に観られないのではないかと思ったのですが、何とか。
私の住む地域では、大手シネコンでの上映はほとんどなく、ミニシアター系の扱いなのです。
観られて良かった。

きちんとキャストチェックもせずに観に行ったのですが、観てみてびっくり。
マーク・ラファロ(日本未公開だけれど、『JUST LIKE HEAVEN』良かったのよ)にマイケル・キートン、リーヴ・シュライバー、スタンリー・トゥッチ、ジョン・スラタリー、それにブライアン・ダーシー・ジェイムズまで!!!
なんですか、この錚々たる顔ぶれは!
特にブライアン、歌わないあなたの姿なんて初めて見たわ!(笑)
髭までつけてるから(いや、生やしているんだよ)、最初誰だかわからなかったじゃない!
(BWの常連さんで、よく舞台に立っているので、彼のことは何度も観ている)
あ、レイチェル・マクアダムスを忘れてた。
レイチェルのことを忘れてしまうくらい、男性陣が豪華過ぎました。
もうねー、もうねー、リーヴ・シュライバーのあの低くて太いよく響く声がたまらんのですよ、舞台好きには。
リーヴの出番、もっと多くても良かったわ。
いや、トップを務める重要な役だから、あれくらいでちょうどいいのですが。
そう言えば、被害者団体の代表サヴィアノ役でニール・ハフも出ていました。
BWの舞台役者のオンパレードですね。
弁護士マクリーシュ役のビリー・クラダップもだし。
レイチェルも、忘れていて申し訳なかったけれど、良い役をもらいましたね。
あのスポットライト・チームで唯一の女性記者の役で、レイチェルで良かったと思いました。
あれが例えば、シャーリーズ・セロンみたいなゴージャスなブロンド美女では嘘っぽくなってしまうし、キーラ・ナイトレイ辺りでも際立ち過ぎちゃうし、レイチェルのあの普通っぽい、でも普通さの中に知性がある感じが良い塩梅でした。

ストーリーはもう皆さんご存知の通り、2002年にカトリック教会の神父の児童性虐待と、教会そのものの隠蔽体質について暴露記事を世に出したボストン・グローブ社の記者たちのお話。
妨害に遭いながらも真相に迫って行く過程がぞくぞくして、ラスト近くは鳥肌が立つ感じでした。
が、教会によって記者たちの身辺が脅かされることはなかったのかしら。
もっとえげつない脅しが沢山出て来るのかと思ったのですが、案外その辺あっさりでした。

あ、あと、テーマ音楽がやたらいいなぁ…と思って観ていたのだけれど、エンド・クレジットを見てこれまたびっくり。
大御所ハワード・ショアでした。
そうかそうか、そりゃ確かに良い音楽のはずです。
『The Load of the Rings』シリーズ等が、彼ですね。


余談ですが、私のすぐ後ろの席で観ていた20代後半と思しき女子二人が上映後、「よくわからなかったー」「全然わからなかったー、難しかったぁ~」と口々に言っていて、阿呆かと思いました(黒くて結構)。
この映画がミニシアター系になっていることからもわかる通り、ここのところ、大手シネコンはTVドラマと大差ないちゃらちゃらした安っぽいラブコメ邦画ばかりにシフトしていて、それは同時に観客がそれだけ成熟していない、幼稚化している、ということでもあると思うのです。
最近の10代、20代、そもそも洋画の字幕が読めないらしいです。
洋画は吹替えでなければ観られないのだとか。
以前から米国では、観客の多くが字幕についていけないがゆえに外国映画があまり上映されないという傾向と、似ていますね。
by bongsenxanh | 2016-05-27 21:55 | 映画 | Comments(2)
Commented by tomotomo1202 at 2016-05-28 18:04
ミニシアター扱いというのが驚きだったんですが、たまたまうちのシネコンはやってましたが、そうでした、東京で結構ミニで扱ってました・・・。
ふえさんの新しい観点で面白く読みました、そうなんですね、BWの方が多いのですね、知りませんでした^^
役割分担というのがなにげに出来上がっていって、途中で何度か色々なものにぶち当たるんですがそこもまたクリアーしていく、という脚本がとてもよくできていたし、あとその脚本をきちんとこなしている役者さんたちも素晴らしかったと思いました。

にしても・・・字幕の映画がすぐに映画館から消えて日本語訳の方が生き残ってる(同じ映画でも)というのはそういうわけなんですね、おそらく。なんともはや・・・これだけ識字率が高い国なのに;;
字幕の長さをもっと長くしろ、とずうっと思っていたんですが(端折られることがとても多いので)。とんでもないですね・・・。
Commented by bongsenxanh at 2016-05-30 07:11
♪ともきちさん

ここのところ、え、この作品が?と思う様なメジャー作品でもシネコンにかからなかったりするんですよね。
洋画そのものがマイナーになりつつあるのかも…と思うと、ちょっと怖いです。
本当に脚本がよく出来ていましたよね、この作品。
で、そうそう、役者さんたちがそれぞれその脚本をきちんと忠実に体現しているのですよねー。
だからこその、スターありきというキャスティングではなく、あのキャストの面々だったんだろうなぁと思います。
マイケル・キートンはいたけど、でもレオとかトム・ハンクスとかではなく(笑)
レイチェルも、ともきちさんが仰っていた、あの辛いことを聞き出していく時に、すごく突っ込んで踏み込んで聞くのですけど、それが嫌らしくなく、誠実なんですよね。

字幕ね、吹替えでしか洋画が観られないって、ある意味文盲に近づいてきているのでは、と空恐ろしくなります。
SNSが普及して、10代20代ちゃんたち、短い言葉をつぶやいたり読んだりすることにだけは慣れていても、まとまった量の文章や、少し内容が深い文は、途端に読めませんから。
あと、読む速度が異常に遅いのです。
字幕も、画面が切り替わる前に全部読み切れないのですって。
嘆かわしい―――!


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