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『自由なれど孤独に』 森 雅裕 著、講談社
自由なれど孤独に
森 雅裕 / 講談社
このタイトル、大好き・・・・・・!!
と、思って借りて来て、ずっとずっと手元で寝かせてありました(^^;)
引越し前後のバタバタもようやく少し収まってきて、ようやく本が読める状態になってきました。
タイトルはシューマンが書いた"Frei Aber Einsam"(ヴァイオリン・ソナタの音階を示したF・A・Eから取ったアナグラムみたいな言葉遊び)というドイツ語が元になっています。
森さんの『モーツァルトは子守唄を歌わない』のベートーヴェン&ツェルニーコンビのクラシック推理物と同じ系譜のクラシック・ミステリです。この本の主役兼探偵役はヨハネス・ブラームスです。まだ若くてハンサムくんだった頃のブラームスですね。でもってウィーン版オスカルみたいな男装の麗人クリスタ・フォン・アムロートなる伯爵令嬢がアシスタント。他に憎まれ役のワーグナーが出てきたり(これが本当に嫌な奴で・・・半フィクションなんですけど、私はもうワーグナーのオペラ観るのやめようかと思いましたよ)、ベーゼンドルファーが出てきたり、ロスチャイルドが出てきたり、更にはハプスブルク家悲劇の王妃エリザベートが出てきたり、と盛りだくさんです。ブラームスがひょんなことから国家機密が絡むほどの陰謀に巻き込まれて・・・といった感じの内容です。
上で書いたように盛りだくさんで、エピソードや伏線もいろいろ詰め込んじゃったおかげで、少しごちゃごちゃしてしまったような印象が・・・。楽しむ分には楽しめましたが、私には少ぅし難しかったような気が致しました(^^;) と言うか・・・こう、今ひとつ、納得がいかなかったような・・・。史実も織り交ぜたフィクションだから、ま、いいのかもしれないけれど・・・もごもご。エリザベートもなぁ・・・。やはり先に挙げたベートーヴェン主役の一連のシリーズの方がずっと楽しめた気がします。でも森さんにはこういう感じのもの、もっともっと書いてほしいです。残念ながら、この本も絶版になっているのですよね。古本屋さんで十把ひとからげな雰囲気で積んであったりしたらすかさず「買い!」です。
by bongsenxanh | 2006-04-30 00:33 | | Comments(0)


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