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ラフマニノフ・ピアノ協奏曲
Rachmaninoff plays Rachmaninoff
Rachmaninoff plays Rachmaninoff

ちょうどPMFのラフマニノフのピアノ協奏曲3番を聴いてきたところなので、このCDのご紹介を。もう、超がつくくらいに有名なのは2番で、前にこのブログで書いたこともありますが。最近では『のだめ』で2番を知ったという人も多いのかもしれません。私は原体験としてクライバーンの弾く2番があって、あとはくらもちふさこさんの名作『いつもポケットにショパン』の存在が大きかったような気もします。で、その2番の影に隠れがちですが、3番もまた名曲で。2番ほどの煌煌しい美しさはありませんが、でもラフマニノフらしい陰りとうねりがあって、私は好きです。ジェフリー・ラッシュが主演してオスカーの主演男優賞を獲った『シャイン』でテーマ曲として使われていたのもこのラフマニノフのピアコン3番ですね(そう言えば『シャイン』は、当時好きだったピアノがとても巧い男の子と一緒に観に行ったのだった。この文を書き始めるまですっかり忘れてた)。
さて、そんなこんなで思い入れもたっぷりあるラフマニノフのピアノ協奏曲。これらの曲が好きなクラシック・ファンの方たちは、おそらく様々なピアニストによる盤(同曲異盤)を持っていることと思います。私自身は、そんなに数は多くないけれど、やはり何枚か持っています。前にも書いた通り、クライバーンのものが一番のお気に入りなのですが(すみません、アシュケナージなどは1、2回聴いたっきりで棚に入りっぱなし)、そんな中にあって、このラフマニノフ自身が彼のピアコンを弾いている盤は特別です。古い録音のものだけあって、音が歪んでいる箇所はあるし、ノイズが入っているし、決して録音状態のいいものではありません。それでも、この盤は魅力的なのです。作曲者自身が弾くピアノ協奏曲。作曲した時に込められた感情も、意図も、すべて知り尽くしているラフマニノフ自身が弾くのですから、その曲を最も正確に忠実にそして魅力的に聴衆に聴かせてくれるのは言わずもがな。ソロもオケとの合奏も素晴らしいです。誰だったかが「ラフマニノフをどう弾くか?」と問うたピアニストに対して、「ラフマニノフの演奏を聴け」と言ったそうですが、それは至言でしょう。
ラフマニノフは、私とは生きた時代が違って、生きた国も違って、当たり前だけれど私は彼の演奏を生で聴くことは出来ません。それでもレコードというものの発明があって、今この時代に時を超え、場所を超え、彼の演奏が私の元に届いていることに、感謝してつぶやくのです。「神様、ありがとう」と。私は無神論者ですが。
by bongsenxanh | 2007-08-03 00:35 | 音楽 | Comments(0)


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