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おひめさま in ヴィエトナム
最近、ふとした拍子にサイゴンでの生活を思い返すことが多いので(ホームシック?秋めいてきたから?) 今日はちょろっとその頃に書き綴っていた日記から、ヴィエトナムの日常をご紹介します。いよいよネタが尽きてきたか...などとは言わないでください。

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さて、以前からヴィエトナムでは知らない人でも何かと面倒を見てくれたり、あれこれ世話を焼いてくれる、と書いてきましたが、今日は特に男性について。この国の男性は本当に本当にマメに、かいがいしく、世話を焼いてくれます!



もちろん、個人差はあるのですが、バイクのエンジンがかかりにくくて困っている時にはその辺にいるお兄さんなりおじさんなりがかけてくれますし、重い荷物を持ってふらふらしていれば、必ずと言っていいほど誰かが荷物を持って運んでくれます。ドアを開けてくれるのも当たり前ですし、一緒にご飯を食べに行けば、おしぼりは袋を破って取り出して手渡してくれます。それからお箸も袋から出したり、大衆食堂のような箸立てにざくっとまとめて入れてある箸は、口をつける部分をきちんとティッシュで拭いた後に手渡してくれます。更に、フォーやおかゆなどはレモンを絞ったり、塩胡椒を入れたりして味を調え、香草を散らしてから「はいお食べ」と渡してくれます。食べ終わった後には「はい、これで口元を拭って」と言ってティッシュを渡してくれます。もちろん、お勘定は男性持ち。もともとヴィエトナムには割り勘するという習慣がないので、男の子が女の子に払わせるなんて恥ずべきことなのです(よっぽどステディになっている場合は別として)。時々やり過ぎなんじゃないの?と思うくらいに尽くしてくれるのです。
またみんなお世辞が上手で、新しい服を来ていたり、ちょっといつもとは違うお洒落をしていたりすると決まって「うわー!すごく綺麗だよ!!」と誉めてくれます。それがわざとらしくなく、嫌味がないところがよいのです。でもこれ、下心あってのことではなく(多少はあるのかもしれないけれど)ごくごく当たり前のことなんです。ヴィエトナム人の女の子に「こんなにしてくれてお姫様みたいじゃない?」と聞いたところ、「なんで?普通じゃない。そういうことしない男なんてダメ」というお答えが返って来ました。ヴィエトナムには"ga-lang"(ギャラン=ジェントル、男の人が女の人にやさしく親切にする、の意味)というフランス語がそのままヴィエトナム語化した言葉があるのですが、まさに、ギャランじゃない男の子なんて、箸にも棒にもひっかからない、基準値以下の男の子、ということになってしまうらしいです。ギャランは、フランス植民が残したいい慣習と言えるかもしれません。
私も最初こそ、そういう風にしてもらう度に「いいのかしら?こんなにしてもらっていいのかしら?」なんてドギマギする純情さが残っていたのですが、最近ではもうすっかりヴィエトナム人化して、やってもらって当たり前~になってきてしまいました。更に私は家でもお掃除お洗濯はお手伝いさんがやってくれるし、何か困ったことがあれば大家さんのダンナさんがTVを直してくれたり、バスタブの栓を直してくれたり、電球の交換をしてくれたり...とこまめに問題解決してくれます。まさにお姫様状態と言えましょう。
まずいです。このままでは日本へ帰った時にそのギャップに苦しみかねません。
もともと、ヴィエトナムに限らず、欧米系の人たちは当たり前にレディファーストが出来ますし、近い所では韓国人の男の人も、面倒見はとってもよくて、細かい所までとてもよく気がついてお世話してくれます(但し、韓国人男性は結婚すると豹変して、暴力も辞さない亭主関白になるらしい)。逆に、日本人男性がそういうことに疎すぎるのかも...。少し前にヴィエトナムの新聞で
"世界で一番、家事をしなくて女性に優しくないのは、どこの国の男性でしょう?
 ―それは日本です"

という記事が載っていましたが、韓国人の女の子にも「日本の男の子ってあんまり気がきかないよねー」と言われました。その通りかもしれません。やはり日本に帰った後の生活は厳しいものとなるのかも...。とりあえずは、あと残り少なくなったお姫様暮らしを堪能することとします。ギャランなヴィエトナム人の男性諸君、どうもありがとう。おしむらくはこの1年数ヶ月の期間中、私がヴィエトナム人男性のステディを作らなかったことです。もしそうしていれば今頃、私のヴィエトナム語力には格段の差があったことでしょうし、ヴィエトナム文化も生活ももっと深く深く知って理解することが出来たと思うのです。ま、でも、そんな打算的にお付き合いなんて、出来ませんよね。
by bongsenxanh | 2007-08-30 14:41 | ヴィエトナム | Comments(2)
Commented by MARI at 2007-08-30 18:28 x
思うに、中国系が入った東南アジア人の男性は概ね、マメじゃないですか?少なくともそういう傾向が強いといえると思います。
タイでもマレーシアでもそう感じます。
これらの国でもムスリムの男性はそうでもないくて、伝統的な家父長系だと思います。おそらく、宗教的なことが関係してるんじゃないかと。
香港の男性も非常に女性に優しいですよ。

でもそれは、彼らの国の女性が自立していて強いからだって説がありますね。日本女性の比じゃないから、あっちの女性の強さは。
だから男性は、優しくしないと女性に相手にされない、必然性に迫られてるところもあると。

欧米系、特にアメリカの男性は、習慣としてレディ・ファーストなんであって、内面は日本人よりずっと保守的でマッチョな傾向が強いと思いますよ。

ま、あくまでも、わたしの経験からそう思うってだけなんですけどね(わたしは過去、アメリカ人・香港人の男性と付き合っていた時期があります・笑)

ま、この記事は昔の日記ということなので、ふえさんもそれから経験を積まれて、今は考え方もまた変化されてるかもしれませんよね。
失礼しました~。
Commented by bongsenxanh at 2007-08-30 21:32
♪MARIさん
は~い、MARIさんのご意見、拝聴いたしました~。
この過去の日記は、"在住外国人の目からみたヴィエトナム定点観測"のようなものだったので、あくまでも一般的傾向について触れていて、あまり私の考えなどといったものは入れないようにしていたはずです~、それでも入っているのでしょうね。
私もこの前もこの後もいろいろ経験は積みましたが、それは秘匿させていただきます~。
ふふ。


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