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ホヴィロン食べてた...
夢を見ました。
夢の中で、私はサイゴンにいた頃住んでいたアパートの路地に入る道端で、プラスティックの小さな椅子に腰掛けて、ホヴィロン屋のおばちゃんに

「おばちゃん!ホヴィロンちょうだい!若いの!まだあんまり孵ってないの!」

と、声をかけていました。

ヴィエトナムには、Hot Vit Lon(ホッ・ヴィッ・ロン)というちょっとしたおやつがあります。
探してみたけれどディジタル写真がなくてフィルム写真ばかりだったので、ここにup出来ないのが残念ですが、孵化しかけのあひるの卵を蒸したものです。なんちゅーゲテモノを食べるのだ?!と思われるかもしれませんが、これが存外、やさしい味なのです。えーと...簡易親子丼だと思っていただければ、わかりやすいかと。お肉と卵が最初から入っておりますので。おだしも効いております。頭の方からコンコン、と割って、塩コショウとたでの葉っぱをぱらぱらっとまぶしていただきます。
私もこれがすご~く好きなわけではないのですが、でもなかなか美味しくて月に何度かは食しておりました。私はあひるちゃんがあまり"形"になっているとさすがにおどろしくて食べられないので(肉もかたくなってるし)まだそんなに孵化が進んでいない若いのを注文していました。
これ、実は夜のおやつの意味合いもあって、新婚初夜の新郎新婦は、一人2つか3つは食べなければいけない...とかいうまことしやかな(?)慣わしもあるとかないとか。でも、白いアオヤイ姿の女子高生ちゃんたちも、学校帰りに小腹を満たすためのおやつとしてホヴィロンを食べている姿を見かけたりするので、まぁ一般的な軽いおやつですね。

・・・それにしても、どうして夢でまでホヴィロンを注文しているのでしょう。
私はそんなに潜在意識の中でホヴィロンが食べたかったのでしょうか。
しかも、塩コショウとたでの葉っぱをまぶして口に入れようとした瞬間、あはれ、夢は幕を下ろして、現実の世界―日本の、自分の部屋の、ベッドの上―に戻ってきたのでした。
by bongsenxanh | 2007-09-09 12:46 | 食べもの | Comments(5)
Commented by ろぷ at 2007-09-09 20:40 x
中学生の頃に読んだ開高健のエッセイに載っていた覚えが。
うひゃーと思ったのですが、「食べてみたい」とも思ったのでした。
卵なら食べられるのに、多少出来上がっているとダメというのも、考えてみれば不思議な話ですよね。卵って、命まるごと食べてるんだもんなー。

このエッセイには確か「セキフェ」という食べ物も出てきて、印象的でした。胎児の入ったままの豚の子宮をまな板の上でトントン叩いたものを食べるとか。これは確か韓国の料理だったと思うけれど、ふえさんのヴィエトナム話を聞いて、なんだか懐かしく感じるのは、昔読んだ開高さんの本を思い出しているからかもしれません。
あこがれていた数学の先生が好きな作家だったの。背伸びして読んでたんだなぁ。表紙に裸婦像が載ってて、どきどきしたっけなぁ。
Commented by bongsenxanh at 2007-09-10 00:19
♪ろぷさん
あ!ろぷさんは開高さんの本、読まれているのですね~!(嬉)
ホヴィロンが出てきたってことは『ベトナム戦記』とか『輝ける闇』とかかしら。それとも『オーパ!』辺りかしら。
確かにホヴィロンはまさに命まるごと!って感じですね~。
私たちが普段食べている卵は無精卵だから、有精卵でしかも育ちかけのホヴィロンは、まぁ残酷と言えば残酷な食べものではあるのですけどね(^^;)
その分、命の重みを感じてありがたくいただこう、と。
これ、一度に食べ過ぎると刺激が強くて良くないらしいのですが、私、大家さんが面白がっておごってくれたおかげで一度に4つも食べさせられたことがありますの...別になんともありませんでしたが(笑)
あこがれていた先生がいたなんて、いいですねー。
私が通った中学ではあこがれるような先生なんて皆無でしたよ~、むさくるしいおじさんばっかりで(^^;)
中学のろぷさん、きっとおしゃまさんだったんですねえ。
Commented by bongsenxanh at 2007-09-10 01:16
♪ろぷさん
追加。
ここのライフログにも入れている近藤紘一さんの『サイゴンから来た妻と娘』にもヴィエトナムの食のことや日常生活のことが生き生き描かれていて、いいですよ~。
著者の近藤さんの人柄やものの考え方が素晴らしくて、私のバイブル的な本です。続編で『バンコクの妻と娘』、『パリへ行った妻と娘』があるんですけど、旅に出る時には私は必ず『パリ~』を持って行きます。とてもいろいろ考えさせられるの。
Commented by ろぷ at 2007-09-10 07:08 x
近藤さんの本、読んでみます!だって、なにしろ、その憧れの先生の名前が近藤先生。笑 何かに導かれてるみたい。

開高さんの本は「白いページ」という文庫でした。「続・白いページ」もあったような・・・全部で3冊だったと思います。あの頃の方が、今よりずっとものを考えていた気がするなぁ。
Commented by bongsenxanh at 2007-09-10 20:36
♪ろぷさん
おぉ~!それは運命だわ!(笑)>その憧れの先生の名前が近藤先生
近藤さん、前述の開高さんとも親交のあった方なのです、産経新聞の特派員だった方で。
私、特に『パリ~』を読んで、自分とは全然違う"人への愛"を持っている方がいるんだなぁ...と思いました、初めて読んだ時。

私も中学・高校の頃の方が今よりずっと真剣にいろんなことを考えていて"読むこと"にも貪欲だった気がします。


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