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本と映画で思うこと
贖罪 上巻 (1) (新潮文庫 マ 28-3)
贖罪 上巻 (1) (新潮文庫 マ 28-3)

本と映画で思うこと_a0054163_2405797.jpgNYから帰って来てから、改めて重要箇所を読み返してみて思った(気づかない間に文庫が出版されていた)。映画は原作に忠実に本当によく作られていたけれど、やはり登場人物の内面奥深くにしっかり入り込んで、その心のひだの陰影までもを微細に描けるのは、文字=言葉なのだと。映像媒体と活字媒体の表現するものの違いというのを、はっきり知覚させられた。
特にこの物語は主人公を登場人物であるのと同時に語り手に据えた内省の物語なので、どうしても活字でなければ描けない心理が存在する。
最初に本ありき、でこの作品に出会って良かったな、と思った(マダムTに感謝)。
それにしても言葉というものはなんて凄いんだろう。そしてなんて怖ろしいんだろう。
決して目には見えない人間の感情というものをありありと克明に描写してしまうなんて。
言葉を自在に操って物語を紡ぎ出す作家という人種を尊敬する。

キーラ嬢は同じ人類だとは思えないほど美しいですね...。
by bongsenxanh | 2008-03-30 02:37 | | Comments(0)


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