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『ウィキッド』 ―三度目にしてまたも......
あーあ。
と、のっけからため息をつきますが。
またもや劇団●季にやられました。
思わず友人に「わたし、劇団四●、嫌い」とつぶやいてしまいました。
というのでお察しの通り、そうです、またもやお目当てのキャストに逃げられたのです。
はるばる汐留くんだりまで観に行ったのに。
私が観に行く直前週まではちゃんと出演していたのに。
9月のcloseまでもう変えてこないだろうという私の読みはあっさり外れました。

というわけで、当日のキャスト。

エルファバ=江畑 晶慧    グリンダ=沼尾 めぐみ
フィエロ=北澤 裕輔      ウィザード=栗原 英雄



あまりつらつら書いても仕方がないと思うので、さっくり簡潔に。

江畑さんのエルファバ。
「歌が上手い」という評判は聞いていたのだけれど、確かに歌える。上手いのだろうと思う。
けれど、それだけで何も感じるもののないエルファバだった。
ミュージカルってただ歌えるだけでは駄目なんだな、ということをあらためて思った。
力強さはあるけれど、役を作りこむ繊細さはない。
きちんと役の感情の揺れやコンプレックスまでもを表現するところまでは。
異端者であるエルファバが持つ独特の艶っぽさみたいなものもなかった。
台詞を話す時の低くてしゃがれ気味の声(ハスキーなのではない、しゃがれ声)も、そこらを走り回って遊んでいる"庶民の子"っぽかった。
そして、これは本人の努力ではどうすることも出来ないので言うべきではないかもしれないけれど...。
名前を日本名(?)に変えてはいても、顕著に「the Korean!」という顔だちをしているので、エルファバのグリーンメイクがかなり似合っていなかった。
あの、よく韓国ドラマで出てくる、主役のおせっかいな友達役っていますよね?
ああいう友達役によくある顔だちでした、江畑さん。
あ、でも今までに日本のエルファバを3人観た中で、江畑さんが一番"魔女"だった。
濱めぐちゃんと樋口さんは、"魔女"ではなくて"女の子"だったので。

グリンダの沼尾さんは、登場した時の顔を見るなりぎょっとした。
かなりお疲れ?
以前以上に痩せてしまって、その上、かなりお肌に疲れが見えて...。
土気色で生気のない顔色で、頬や口周りの皺がひどかった。
そんなとこまで見ちゃだめ、いやな客だわ!と思うけれど、一目見るなりすぐにわかっちゃうくらい、お肌が疲れていたのです。
「私に会えてうれしいのね!」とか言って笑って見せても、全然笑っているように見えないくらい、お疲れの様子で。
沼尾さん、たっぷり睡眠をとるのよ!
馬鹿高いコラーゲンドリンクをばんばん飲むのよ!!
舞台よりもあなたの体(とお肌)の方が大切だわ!!!
と、駆け寄って肩を抱いてあげたくなってしまいました。
あと、この日、2幕のエビータ・パロディ・シーンで(オズィアンの前で演説するとこ)歌っているのを聴いて、あぁ、やっぱり玲子さんに歌声がそっくりだ、と思った。
李香蘭の日劇リサイタル・シーンを聴いた時にも強くそう思ったけれど。
ある一定音域で歌う時、ものすごく歌声が似ているのです。
それにしても沼尾さんは本当にコメディエンヌではなくて、この役をやらせるのは酷のような気さえしました。

フィエロの北澤くんは前回観てなかなか良くて。
今回観て、やはり北澤くんの、あのどこか軽薄で阿呆っぽいところはこのフィエロという役にはフィットするなぁと思い。
李さんはどちらかと言うと生真面目そうな感じがするので。
でも北澤フィエロと江畑エルファバのデュエットはあまり相性が良くない気がした。

ウィザードの栗原さんはウィザードにするには若々しくて、そしてスリムで貫録がなくて。
なんだかうっかりフィエロになっちゃいそうな勢いのウィザードだった。
日本でウィザードを演じている役者さんは皆さん、お若いですね。

そんなところでした。


余談:
この日、カーテンコールの時になんと3階C席(つまりかなりの後方席)でスタンディング・オベーションなんぞをしてくれた親子連れがいました。
母親2人+子供4人という6人連れで立ってくれたので、その後ろにいた私たちには非常に迷惑でした。
勇気ある中年の女性が「あの、見えないので座ってもらえませんか?」と声をかけてくれたのですが、母親は
「これ、スタンディング・オべーションって言うんですよ!あなたたちも立った方がいいですよ!!」
と、しゃあしゃあと言いました。
あまりの勘違いっぷりに驚愕しました。
あのー、スタンディング・オべーションというのはですね、並外れて素晴らしかった舞台に対して、激しく感動した時にするものなのです。
または、初日だったり楽日だったり、記念碑的な公演日にすることが多いのです(日本では。海外はまた別)
で、それは主にオーケストラ席でするものなのです。
それにスタンディング・オべーションも感動も、人に押し付けて強制するものではないのです。
更に自分より後方にいるお客さんの迷惑も考慮に入れなければならないのです。
ご自分が感動してスタンディング・オべーションするのは、もちろんその人の自由ですが。
もう少し、正しい観劇知識と観劇マナーを身につけましょう。


Fri Matinee July 31. 2009 電通四季劇場[海]
by bongsenxanh | 2009-08-04 00:23 | 観劇レビュ 国内etc. | Comments(0)


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