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『カルメル会修道女の対話』― MET Live Viewing
5月のまとめなど(キンキ―ブーツとかシカオちゃんのLiveとか行っていたのです、いつの間にか)を書きたいと思っていたのですが、その前に昨日観た今季最後のMET Live Viewingの『カルメル会修道女の対話』があまりにも素晴らしかったので、まずはそちらを。
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パブリシティでフィーチュァされていたこの舞台写真が印象に強かったこの作品。
この画像を一目見ただけで、既にこの作品が描こうとしている内容、これから始まるであろう悲劇を暗示させるものになっている。
暗闇の中に白く浮かび上がる十字架の形になった床、そこに十字に手を広げてうつぶせになる13人の修道女たち。
(13という数字も意図的に演出されたもの。イエス+使徒の数。実際には修道女たちは16人いる)
この画像から察せられる通り、作品内容は暗く、重たく、苦しい。
フランス革命中&直後、革命派による恐怖政治下で、神に祈りを捧げることだけに身を捧げていたカルメル会の修道女たちが弾圧されるというお話。
これが作り話ではなく、実際にあった話を元に作られているというからまた更に恐ろしく、悲しい。
私も本当はこういったお話のオペラは避けて通りたかったのだけれど(何せ、オペラは元N響の鶴我さんの言葉を借りれば「馬鹿丸出しのイタリアオペラ」が良い!と思っているくらいなので)、その内容の暗さ重さから上演機会が少なくそれゆえ観られるチャンスもなかなかない、MET Live Viewingでも取り上げられるのは今回が初めてとあっては、観ないわけにはいかない。
加えて、ヒロイン=カルメル会に入る貴族の娘ブランシュを演じるのが大好きなイザベル・レナードとあっては、ますます観ないわけにはいかないのです。

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その、イザベル・レナード。
彼女はコメディ・センスがあって、にぃっと笑った顔がこの上なくチャーミングなので、『フィガロの結婚』のケルビーノとか『セビリアの理髪師』のロジーナとか本当によく似合うな~と思っていたのだけれど(そう言えば『ロメオとジュリエット』のステファノも演っていましたっけね)、今回のブランシュ役はイザベルの真っ直ぐ前を見据える眼差しと清楚な雰囲気、凛とした佇まいが役の悲劇性によく合っていて良かった。
歌唱はもちろんのこと。以前よりもっと脂が乗って来て、絶好調な感じ。

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脇を固める歌手陣も素晴らしかった。
修道院長のカリタ・マッティラ(あの死に際の迫真の演技と歌唱、恐ろしくも素晴らしい!ブラヴァ!!)、マザー・マリーのカレン・カーギルの存在感、そしてイザベルと同年代の見習いシスター・コンスタンスを演じるエリン・モーリー。
幕間インタビューで話していたけれど、イザベルとエリンは音大時代からずっとの親友で、この作品のこの役も今までにも何度か一緒に演じたことがあるそうで、それゆえに幕切れ近くで怯えから逃げ出しそうになるシスター・コンスタンスの前にイザベルが姿を現して手を握り締めるシーンは胸が詰まって涙がこぼれた。
あれこれ書くとネタバレになってしまうのだけれど(いや、オペラで大まかな筋はもうわかっているのだから、ネタバレも何もないか?)、この写真の修道女たちが自らの死を覚悟して最後の祈りを捧げ、『サルヴェ・レジーナ』を歌うシーンの残酷さと素晴らしさと言ったら…!
『サルヴェ・レジーナ』悲劇の響きに満ちていて、それでもまだなお果てしなく美しいのです!
そして最初は14人で歌っていた『サルヴェ・レジーナ』の合唱が、一人、また一人と抜けていくのが音楽的にも物語の演出的にも非常に効果的で物悲しく。
その合間に挟まるある音―そう、フランス革命の際に完成した発明品と言えばアレですね―の音が、1回、また1回…と繰り返されるのが限りなく恐怖心をかき立てられ。
オペラ史上、ここまで恐怖を駆り立てる恐ろしく残酷な効果音があっただろうか?

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先にも最後の最後のシーンで、民衆の後ろに隠れていたブランシュが姿を現してシスター・コンスタンスの手を握るのが、唯一の救いの光の様に思えた。
そこで、イザベル・レナードが、まるでそんな残酷な状況の中ではないかの様に、神々しいまでに無垢な笑みを浮かべるのですよ!
イザベル…!イザベルだって、これからあの恐ろしい音のする場へと向かうのに…。

大半が強い信仰を持たない私たち日本人には、カトリック修道女の思想や心情が理解しにくい部分もあるけれど、それでも何が正しくて何が悪なのか、信仰とは何なのか、そして人の崇高さについて考えさせられる作品。
私、これを観ている間中、この作品を『レ・ミゼラブル』とか『ベルサイユのばら』とか、フランス革命ものが大好きな日本のミューオタもとい、シアターゴーアーの皆さんに観て頂きたいと思って仕方ありませんでした。
革命派がすべて正しいわけではない、王政派がすべて間違っていたわけでもない、そもそも戦争とか革命とか動乱とか、異常事態の元では人間はかくも残酷に、非人道的になり得るのだということ。
そんな中で、その争いに最も遠いところにいた修道女たちが故なく犠牲にならなければならなかった悲劇。

フランス現代音楽のプーランクの楽曲はどれも素晴らしく。
レチタティーヴォを多用したスコアは、オペラの中でもより台詞的芝居的に響き。
あらゆるものをそぎ落としてシンプルさを追求したジョン・デクスター演出。
白と黒を基調とした舞台装置と照明は物語の悲劇性を浮かび上がらせ、ブランシュや修道女たちの信仰心の強さを際立たせる。
通常、オペラに求められる豪華さや色恋のドロドロは皆無だけれど、物語のドラマティックさで言えば、『トスカ』『カルメン』等に負けず劣らず、いえ、それらを遥かに凌ぐほどのドラマティックさ。

強く、お勧めです。
今度いつ観られるか、わからないですしね。
今週水曜日までの上映です。

by bongsenxanh | 2019-06-10 01:41 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(2)
『CARMEN』―MET Live Viewing
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走り書きばっかりで申し訳ないですが。
METの『カルメン』、初日の金曜日の夜に早速観て来たので、取り急ぎ。
1日2回上映、本当にありがたいです。
そうでなければ、平日に観に行くのなんて勤め人にはとても無理ですから。

世界で絶賛されているクレモンティーヌ・マルゲーヌのカルメン。
そこにドン・ホセと言えばロベルト・アラーニャ!というほど天下一品のドン・ホセ。
更にエスカミーリョには容姿・歌声ともに抜群のアレクサンダー・ヴィノグラドフ。
役者は揃った。

というのがMETの触れ込みだったのですが。
う―――ん、ごめんなさい、先に言ってしまいますが、クレモンティーヌのカルメン、私には今一つ良さがわかりませんでした。
いや、確かに歌は歌えているし、情熱的?と言われればまぁ情熱的だし(その程度か)、薄汚いジプシー女という感じの(差別ではありません、雰囲気を形容しているだけです)雰囲気を醸し出していて、まぁこういうカルメンもいるだろう…とは思ったのですが。
官能とか、迸る野性味とか、希代の悪女!というオーラみたいなものが、私には感じられなかったのです。
中途半端と言うか。
それに歌声が、何だか温かみのあるメゾ・ソプラノなんですよね。
カルメンらしいワイルドさとかシャープさはないと言うか。
私の好みとは違っていただけなのかもしれませんが。
う―――ん、う―――ん…。
結構鳩胸のどすこい!体型のカルメンで、お肌の色艶や皺の寄り方から、もう40代後半~50代くらいかしら?と思っていたら、バイオグラフィを見たら想像以上に若くて35歳でしたのよ、クレモンティーヌ。
失礼しました、ごめんなさい。
演じている時の表情が一瞬、渡辺えり子さんの様に見える時もあったりして。
ラテン系のエキゾチックな顔立ちなのですけど…。
うらぶれた場末のスナックにいる往年のママみたいなカルメンだったと言うか…。

カルメンはそんな感じなのですが、このプロダクションの観どころ聴きどころはやっぱりアラーニャでした!!!
いや、アラーニャ、素晴らしかったですよ!!!
びんびん響き渡る艶やかなテノール!!!
そうか、アラーニャ、アンコール上映の『ロメオとジュリエット』なんて観ている場合じゃなかったのね。
あなたの真価はやはりこういう、悪女に振り回される道を踏み外した生真面目男を演じた時に発揮されるのね。
そう言えば、クリスティーヌ・オポライス演じるマノンに振り回される『マノン・レスコー』を演じた時も良かったものね(そう言えばあの時もリチャード・エア演出だったっけ)。
実生活でも散々ゲオルギューに振り回されて、挙句、別れたくらいだものね(余計ですね)
幕間のインタビューの時にも、ミカエラを演じた実生活の現在の妻、アレクサンドラ・クルジャックと仲良さそうに応えていて、その受け答えがまた女性をうまく立てて、インタビュアーのアイリーン・ペレスにも優しく気遣いをしていて、あぁ、これはロベルト、女性にモテるはずだわ…と言うか、下手すると上手いこと女性に利用されちゃうはずだわ…と思わされたのでした。
話が逸れました(^^;)
あ、アイリーン・ペレスがとってもチャーミングで、インタビューが良かったです。
後述するイケメン・ダンディなエスカミーリョのヴィノグラドフとも、とっても親しげに話していて。

そしてそして!
エスカミーリョのアレクサンダー・ヴィノグラドフ!
アラーニャとまた良い感じにライバルを張れる、うっとりするような美声のバス。
しかもルックスがまたとてもハンサムさんで惚れ惚れしちゃうようなエスカミーリョなのです。
そりゃ、カルメンだってこんな闘牛士に言い寄られたら、ふらふらっとそちらに流れちゃうでしょう。
ただでさえ恋多き魔性の女なのだもの。

そういうわけですので、今回の『カルメン』はアラーニャとヴィノグラドフを観に行く&聴きに行くプロダクションです。
ぜひぜひこの二人の美声を聴いて来て下さい。
あ、あと、もちろんリチャード・エアの演出も見ものです。
あの回転する盆が二重になったセット、凄いなぁ。
ライブビューイングだと、1幕から2幕への舞台転換も見られるのが興味深いです。
1幕幕切れのカルメンの脱走で、あの回る盆舞台が非常に効果的に使われていました。
まさに逃走するカルメンの躍動感が表れていて。
リチャード・エア演出は人物の描き方も、その人物たちが織り成す重層構造も、何て言うのか、レイヤーが幾重にも折り重なって構成されているような重厚感がありますね。

あ、追記。
今回の『カルメン』、児童合唱団のコーラスがまたとっても素晴らしいのです!
1幕始まってすぐに「あぁ、コーラス良いなぁ…」と思って聴いていたら、ちゃ~んと幕間のインタビューで児童合唱団の指導をしているトレーナーと、コーラスの子ども3人のインタビューがあったので、流石!目の付け所をちゃんと心得ている!と思いました^^
コーラスの子どもは男の子2人と女の子1人で、ショーンとサラだったのは覚えているけれど、あともう一人の男の子の名前を忘れてしまった…(その内思い出します、多分)
「将来はソロの歌手として主役をやってみたい?」との質問に"I don't know."ってさらっと答えていたのが、いかにも米国の(NYの)子どもらしくて微笑ましかった。
METは児童合唱団も、もちろん大人の合唱団も、レベルが高くて何とも耳が幸せです。

幕開けのあのあまりにも有名な序曲を耳にした瞬間、そしてその後の超有名曲のオンパレードを聴いていて、「あぁ、『カルメン』ってなんてポップでキャッチ―なオペラなんだろう」と思いました。
『椿姫』と並んでオペラの入門には最適で、と同時に年季のいったクラオタにもちゃんと聴き応えがある楽曲ですよね。
更に序曲って書いて思い出したけれど、ルイ・ラングレーの指揮も良かった。
彼が序曲を振っている映像、とっても華やかで楽しそうでした。

by bongsenxanh | 2019-03-09 02:09 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(4)
2月のまとめ
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全然書けておりませんで、こんな3月の4日も過ぎてから2月のまとめも何なのですが。
観たもの&聴いたものをざざっと走り書きすると。

『ラブ・ネバー・ダイ』(Love Never Dies) 日生劇場×2
(2回とも石丸の幹ちゃんファントムで、濱めぐ・平原あーや両方のクリスティーヌを観て、ラウルも万里生・小野田両方観ました!)
『La Traviata』(椿姫)―MET Live Viewing
『Adriana Lecouvreur』(アドリアーナ・ルクヴルール)―MET Live Viewing
『ノートルダムの鐘』名古屋四季劇場
『A STAR IS BORN』(邦題:『アリー:スター誕生』)
NHK交響楽団定期演奏会 愛知県芸術劇場 コンサートホール ストラヴィンスキー『春の祭典』

ということで、ミュージカル3公演、METライブビューイング2公演、映画1本、クラシック演奏会1回、計7公演に加えて、仕事も超繁忙期な上に、経験年数上やらなければいけない研修+研究論文1本を書いておりまして(いつ書いていたんだ、本当に書いていたのか?)、自分でも何かおかしいんじゃないかと思うほどの忙しさでした。
いや、こんな繁忙期にこれだけの公演を詰め込んだ自分が迂闊。
でも何とか走り抜けました。

で、ミューとかオペラについてはおいおい書くのですが(本当か?)、映画『アリー:スター誕生』についてだけ、ささっと。
これ、おそらくもう全国ほとんどの映画館で上映終了してしまっていると思うのですが(私が観たのも上映最終日でした)。
日本では興行収入が伸びず、あからさまに『ボヘミアン・ラプソディー』に喰われちゃったと言うか、水をあけられてしまった格好になってしまいましたが。
私は何と言ってもブラッドリー・クーパーが大好きなので(面食い&ミーハー)、もう彼の姿を見るためだけに観に行ったと言っても過言ではないほどなのですが。
これ、決して悪くない映画だったと思うのです。
実際、日本では振るわなかったけれど、本国では大ヒットでしたし、アカデミー賞でもあの扱いでしたし。
ここのところ少し人気に陰りが出て来たと言われていたレディ・ガガもこれでまた復活!とも言われているし。
そういったことをさておいても、映画としてもとてもよく出来ていたと思うのです。
日本では『スター誕生』のリメイクであることをひた隠しにするようなプロモーションを展開していたけれど。
オリジナルでもリメイクでも、どっちでもいいじゃん、映画として素晴らしければ。と言えるような出来で。
ガガもブラッドリーも良い演技をしていたし、ガガのパフォーマンスはとても自然で流石だったし、楽曲も良かったし。
それに容姿にコンプレックスを持っていた、クラブで歌うだけの冴えない片田舎の女の子だったガガを、売れっ子シンガーのブラッドリーが見出して引き上げていくその過程も自然で良かったし、何よりほぼ素顔のガガが本当に普通で良かった。
コテコテメイクをしちゃっているガガよりずっと魅力的に見えた。
で、お互いに欠乏しているものがあって、それを埋め合うからこそ魅かれ合う姿がじわっ…と沁みたし。
なまじ良かっただけに、日本でのこの扱いが非常~~にもったいなく思えたのでした。
あ、もちろん、私は『ボヘミアン・ラプソディー』も大好きですし、あちらはあちらで素晴らしいのですよ~!!

という、2月でした。
あぁぁぁ、思う存分、ミューとオペラについてつぶやける時間が欲しい。
パーヴォ指揮のN響のストラヴィンスキーも良かったのですよ!
途中、ちょっと乱れてリスキーなところもあったけれど(笑)

by bongsenxanh | 2019-03-05 00:33 | 観劇周辺 | Comments(2)
『Adriana Lecouvreur』―MET Live Viewing
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珍しく平日にお休みが取れて初日に観てまいりましたので!
まだ『椿姫』のことも書けていませんが、いったん「観て来た」報告だけ上げておきます。
METライブビューイングの『アドリアーナ・ルクヴルール』
もうこの画像がすべてを物語っているようなものですが。
アンナ・ネトレプコが18世紀に実在した大女優を演じるオペラです。
以上。
本当、それだけっちゃそれだけなのですが。
で、自分が恋仲になっている男の元恋人が権力を握っている嫉妬深い公妃で、その女から酷い目に遭わされる…という結構な悲劇です。
ただね、この ザ・女のバトル!の辺りが非常~に面白いのですよ、どろっどろで!
ネトレプコと公妃の対決シーン、本当に凄いです!
その辺の濃厚なところを描かせたらうまいのがデイヴィッド・マクヴィガー演出。

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こう言うとファンからは怒られてしまうかもしれませんが、ネトレプコは割といつも通りのネトレプコです。
確かに全身全霊で歌っていて、役に入り込んでいて上手いのですが、でも通常営業のネトレプコです。
そもそもネプ子、だいぶ太って、年も取って、もうかつての様な可憐なソプラノではなくて、野太い声のどっしりしたソプラノになっちゃいましたからね。
歌声が本当に太くて粘りがあるんですよ~。ドラマティックではありますが。
それに対して、彼女を追い詰めていく悪女を演じるアニータ・ラチヴェリシュヴィリ(苗字が長くて覚えられない&発音出来ない)がんもう抜群に素晴らしい歌唱力なんです!
そしてそして、アドリアーナの恋人役のモテモテ色男役テノール、ピョートル・ベチャワがこれまた極上の歌声!
ベチャワの情熱的で色気のある歌声、好きだなぁ。
ネトレプコではなく、ベチャワの美声をずっと聴いていたいと思ってしまいました。
そしてこれらのスター歌手とオケを率いるのがジャナンドレア・ノセダ!!!
もう、なんて豪華なんでしょう。

また詳しく書きますが、とにかくこれ、観て損はないですよ~!
と言うか、インタビュー等でも語られている通り、なかなか上演される機会も少ない作品ですので。

by bongsenxanh | 2019-02-23 01:37 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(3)
『La Traviata』― MET Live Viewing
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はいっ!
まず最初に声を大にして言いますよ‼
皆さん、これ、観なきゃだめなやつですよー!!!
昨シーズンの『TOSCA』や一昨シーズンの『Romeo et Juliette』と同じレベルで観なきゃだめなやつですよ――!!!
少しでも気になる人、オペラ好き、演劇好きは必ず観てくださいね―――!!!!!
(クラオタさんたちはお薦めしなくても自分でちゃんと観に行くと思うので大丈夫^^)

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詳しいことはまた明日書くつもりですが、とにかく主演のディアナ・ダムラウが超絶素晴らしい!!!!!
あ、一昨シーズンの『Romeo et Juliette』で愛くるしいジュリエットを演じたソプラノですよー。
彼女はもう大ヴェテランの域に入って来ていますので、この作品のヴィオレッタも初役ではなくて何度も演じて来ているのでお手の物ではありますが。
その彼女を以てして「今回のこの演出こそ、私が求めていたものなの!」と言わしめた演出。
そう、今回何が良いって、マイケル・メイヤーによる新演出!!!
あの『Spring Awakening』のマイケル・メイヤーですよ!
今までミュージカルやストレート・プレイを手掛けて来た彼が、今季METの『マーニー』とこの『椿姫』でオペラ演出に挑戦しています。
そのマイケル・メイヤーの演出がこの上もなく良いのですよ~!
新演出ですが、デッカー版のような奇をてらった現代的なものではなく、作品の神髄に迫るクラシカルな正統派の演出です!(詳しくは明日)

そして今季、METの常任指揮者に就任したヤニック・ゼネ・セガンによる指揮、統括。
オーケストラも、歌手たちの歌唱も、すべて相俟っての音楽が耳を幸福にしてくれます。
オペラなのだから、音楽が良くなければお話にならないのは当たり前ですが。

演出・歌手(演者)・音楽、それに装置も衣装も、すべてがパーフェクトなのが今回の『La Traviata』です。
必ず必ず観てください。

2月14日までの上映です。
有難いことに、東京・名古屋・大阪は昼・夜の1日2回上映です。
夜上映があったからこそ、初日の金曜日の夜に観に行けました~!

by bongsenxanh | 2019-02-10 04:35 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(4)
『Romeo et Juliette』―MET Live Viewing encore
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えーと、こちらを観てきたのです。
MET Liveビューイングのアンコール上映で。
ソニア・ヨンチェヴァの『TOSCA』に次いで、今季のアンコール上映の中では楽しみにしていたのですが。
こちら、2007年公演のアンコール上映で、これを上映していた頃、ちょうど私はNYに行っていて、観ようと思えばチャンスがなかったわけではなかったのですが、他に観る作品で枠がいっぱいだったので観られず。
だから尚更、今回のアンコール上映を楽しみにしていたのですが。
あ、観ての通り、主演はロメオ=ロベルト・アラーニャ、ジュリエット=アンナ・ネトレプコです。
えーと…ね、えーとね、えーとね…。
一昨年(2016-2017シーズン)のプロダクションで、同作品がありましたよね。
バートレット・シェール演出で、ヴィットリオ・グリゴーロがロメオで、ディアナ・ダムラウがジュリエットで。
私が1週の間に2回も観に行って、興奮してわーわー言っていた『Romeo et Juliette』
演出も歌手も指揮も上演された時期も違うのだから、違って当然なのだけれど、どこかであれと同じレベルのものすごいものを期待してしまっていたのです、私は。
だって同じメトロポリタン歌劇場で上演されるプロダクションなわけだし。
だから、あの、期待していたものとは違ってしまっていたのは、やはり当たり前のことで。

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あのー、ネトレプコはね、2007年なので、まだまるまるになっちゃう前のネトレプコで、お顔も皆さんご存知の通りの美しさなのですが。
声質がね、全然ジュリエットじゃないの。
それはネトレプコ自身もインタビューの中で、「この役は私には音域が高くて、私の声は本当はもう少し低音域の方が歌いやすいのだけど…」と語っていた通りなのだけど。
ネトレプコ、もっとずっと若かった頃にはリリコ寄りのソプラノだったのだけれど、この頃になるともう、年齢と共に声も太く低めのコシのある声になってきて、貫禄と脂も乗ってドラマティコと言うか、少なくともジュリエットに要求される清純で可憐なソプラノではなくなっているのですよね。
それが随所で感じられて、ちょっとジュリエットとしてはつらかったかな、と。
そして歌声だけではなく、そもそもネトレプコは気が強くて性格がキツイと言うか…ね。
ジュリエットの清純さとは真逆なところがあるのですよね。
美人なのだけど、きつめの意地悪顔の美人ですしね。
ロメオとの初めての夜のベッドシーンなんて、まるで初めての初々しさなんてなくて、何て言うのかもう、手練れの娼婦の様な気配すら感じさせていたので…(^^;)
ジュリエットは、ネトレプコの役ではなかった、と。
その点、前述のダムラウは、御年45歳でありながら、ものすごく初々しい10代の少女に見えたのですよねー、すごい。
ネトレプコはやっぱり、マクベス夫人辺りが声質的にもキャラ的にもハマリ役なのではないかしら。

対するアラーニャは、声や歌唱はとっても素敵だったのだけれど。
いかんせん、もう中年を通り越して初老の域に入りかけている容貌が…ロメオとしてはやはりつらかった。
グリゴーロのロメオがあんなにも迸る様に若々しかったことからすると…。
ロメオもジュリエットも、やはりフレッシュさって重要ですね。
あとね、アラーニャとネトレプコは、あまり相性がよろしくなかったかなぁ…とも。
見るからに良い人そうなオーラが全身から出ているアラーニャと、それを鼻の先でふふんって笑って弄んじゃいそうな性悪のジュリエット=ネトレプコっていうのが…(注:あくまでも私の印象ですので。ファンの方、ごめんなさい)
実際、インタビューの時にも「僕はシャイだから、人前であんなシーン(ベッド・シーンね)を演じるのは…」って話すアラーニャと、「あら、私は全然シャイなんかじゃないわ。作品の中でもラブシーンが一番好きよ~ん!」って答えちゃうネトレプコでは、何となくうまく歯車が噛み合っていない様な雰囲気があってね。
アラーニャが食われちゃっている様な気配が。

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そしてね、これがアラーニャが「人前であんなシーンは…」と言っていたベッド・シーンなのですが。
ベッドが宙吊りにされて、そこに風が吹いてシーツがひらひらと揺れて、その上で二人のアリアがあるわけです。
あぁ、舞台装置のディザイナーや演出家は、これがやりたかったんだなー、と強く感じましたが。
これ、効果的だったかなぁ…。
他にも1幕から回る盆舞台を採用したりしていましたが、盆舞台が効果的に使われていたかどうかと言えば…う―――ん…。
ジュリエットがロメオに手を差し伸べるバルコニーにしても、手抜きのセットっぽくて、あのシーンのロマンティックさというものは上手く醸し出せていなかった様に思いました。
加えて、二人の衣装。
1枚目にも載せたジュリエットの濃いローズピンクのドレスにしても、アラーニャが来ている薄い水色の衣装にしても、全然素敵に見えなくて。むしろ安っぽくて。ダサくて。
先にも書いた様にアラーニャももうそろそろいい年なので、せめてそのアラーニャを若々しい両家のお坊ちゃんに仕立てあげるような、体型と年齢をカヴァー出来る衣装を着せてあげて欲しかった。
シュッとして締まって見えるような、ね。
薄い水色は膨張色だし、足も短く見えちゃって、ジュリエットから見て素敵な貴公子に見えないんじゃないかと…。
バート演出の『Romeo et Juliette』では、衣装ディザインのCatherine Zuberがカサノバを意識してディザインしたと言っていた衣装が、それは素敵だったのだけれど。

というわけで、演出、歌手、舞台装置、衣装共に、欲求不満で終わってしまい、ただただひたすら長く感じられた『Romeo et Juliette』だったのでした。
ごめんなさい。
本当に残念…。

あ、そうだ、そんな中で唯一、キャピュレット家お小姓のステファノを演じたイザベル・レナードだけはピカイチでした。
颯爽としていて、歌声はよく徹って美しい。
イザベル、こんな11年も前にもうMETに出ていたのね。
まだ最近出始めたばかりかと思っていました。
イザベルは2014年の『フィガロの結婚』のケルビーノも本当に愛らしくて、それでいて歌は抜群でしたね。
こういうズボン役が似合っちゃうメゾ・ソプラノなんですね~。

by bongsenxanh | 2018-09-16 00:11 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(0)
MET Live Viewing アンコール上映!
お知らせです!

声を大にしてお知らせですっ!

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METライブビューイング2018のあの作品やあの作品が、8月から10月にかけてアンコール上映されます!
(今回こそ「もっと早く言って」と言われないように、かなり早めのお知らせ)
東劇と関西(なんば、神戸)、名古屋の3地域になりますが、あのヨンチェヴァの神がかったとも言える様な『TOSCA』がまた観られるのです!
BRAVO!
東劇ばっかり作品数が多くて、昨年亡くなられた名バリトン、ディミトリ・ホヴォロストフスキー出演作が4作も入っていたりするので「きぃぃぃ―――――ッ!」て言いたくなりますが、とにもかくにも、また観られるのです。
あ、東劇も関西もある、ディドナート×フローレスの『セヴィリアの理髪師』も、名古屋だけ飛ばされてる…(涙)
ともあれ、ヨンチェバの『TOSCA』『La Boheme』も観られるので、ぜひ。お見逃しなく。
詳細はこちら

by bongsenxanh | 2018-06-17 23:58 | 観劇周辺 | Comments(2)
『La Boheme』ーMET Live Viewing
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またもや、「上映が終わった後に言わないで!」「もっと早くつぶやいて!」と怒られてしまいそうですが…。
金曜日の夜、最終上映回に滑り込みで観て来ました、METの『La Boheme』(ラ・ボエーム)
とりあえず走り書きだけですが、METの定番中の定番、言わずと知れたゼッフィレッリ演出の『La Boheme』です。

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今回の目玉は何と言っても、ソニア・ヨンチェヴァのミミ!
そう、この間の『TOSCA』で、最高のトスカを見せて聴かせてくれた、あのソプラノです!
いやぁ、もう、ソニアのミミ、可愛らしくて薄幸で儚くて、素晴らしかった~~~。
儚い割に、ソプラノはびんびんですし(笑)

えーと、ただ、先にも書いた通り、過去からもう何回上演されたかわからないくらいの、定番のゼッフィレッリ演出ですので、目新しさはないです。
あ、もちろん、今までこの演出で『La Boheme』を観たことがない、またはそもそも『La Boheme』を観るのは初めてだ、という方には絶賛お薦めです。
ゼッフィレッリ演出、装置も衣装も、リアリティの追及と豪華絢爛さが素晴らしいですから。

私は、この衣装を着てこの演出で歌っているネトレプコのミミを観たことがあり、グリゴーロのロドルフォを観たことがあり、古くはロドルフォを歌っているパヴァちゃん(ルチアーノ・パヴァロッティ)を観たことがあるものですから…既視感があり過ぎて。
いえ、それでも素晴らしいことは間違いないです。
ともかく、超定番作品です。
例によって、東京の東劇だけは今週金曜日、4月13日まで上映していますので、関東にお住まいの方はまだ観られるチャンスがあります。

by bongsenxanh | 2018-04-09 01:08 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(2)
『TOSCA』―MET Live Viewing
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こちらも時間がなくて、ちらっと紹介だけですが(また日を改めて書きます)
METライブビューイングの『トスカ』
ここのところ、あまりにも時間に追われ過ぎていて、ようやく時間をひねり出して観に行けたのは最終日だったのですが!
本当はこれ、初日か2日目には観て、もう一度最終日にも観たかったくらい、今シーズンの最大の目玉だったのです!
だって、年始にこのためだけにNY飛ぼうと思ってましたもの。
エアもホテルも予約して飛ぶ気満々でしたもの(飛べなかったけれど)。
で!声を大にして言いますが!
これ、今シーズンのMETの中ではとりわけ絶対に観なきゃダメなやつですよ―――!
もう、トスカのソニア(ソーニャ)・ヨンチェヴァとカヴァラドッシのヴィットリオ・グリゴーロ♥と悪徳スカルピアのジェリコ・ルチッチのがっぷり巴に組んだガチンコ対決がものすごいですから!!!
特に、トスカのソニアの魂の叫びの様な♪歌に生き 愛に生き、涙出ちゃうほど壮絶ですから!
そして、ルチッチの美声バリトンのスカルピア、救い様もなく最高に極悪で素敵ですから!(褒めてる褒めてる)
あと、デヴィッド・マクヴィカーの新演出も、重厚でドラマティックで良いのですよー!
私が前にMETで観たゼッフィレッリ版の『トスカ』へのオマージュもありつつ、あれよりもっと濃厚で深いです。
あと、何てったって主役二人が若々しいのがいいなぁ。

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で!最終日も過ぎちゃった今更薦めるのか?って言われそうですが。
これ、東京の東劇だけは、3月2日まで上演しているんですよ!!!
いいですか?大切なことなのでもう一度言いますよ?
東京の東劇だけは、3月2日まで観られるんです!
まだご覧になっていないオペラ好き、クラシック好き、観劇好き、そうじゃなくても少しでも興味を引かれた方はぜひご覧下さい!!!
ちょっとルチッチの陰に隠れちゃっている様ですが、私のグリゴーロ(<おい)も、とっても熱いイタリアン・ヒーロー!なカヴァラドッシですので、どうぞご覧下さい。
グリゴーロ自身がインタビューで「僕は『トスカ』のただのチョイ役だからさ~、アハハ~」とか言っちゃってたから、いいか(笑)
by bongsenxanh | 2018-02-27 00:43 | 観劇レビュ NY '18/'19 | Comments(4)
『Romeo et Juliette』MET Live Viewing 2回目
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1週間限定の『ロメオとジュリエット』METライブビューイング公開、最終日の先週金曜夜に(今シーズンは特定演目に限って、昼夜2回ロードショウです。ありがたや!)観納めの2回目、観てまいりました。
あぁ、もう、このバルコニー近くまで柱をよじ登っていくグリゴーロ、大好きだわ。
2回目になると、1回目の昂揚からもう少し落ち着いて、細部までじっくり観て味わえるようになりますね。

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by bongsenxanh | 2017-03-09 23:57 | 観劇レビュ NY '16/'17 | Comments(2)




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